107 / 174
107.カイリ殿下もお疲れモード
しおりを挟む
一方カイリ殿下は、向かい側のソファーに座って、ものすごい疲れた様子でソファーにもたれていた
この感じ……見たことあるな
「はぁ……」
空気の重たいため息が聞こえてくる
トキ殿下の膝の上に乗せられたまま、ため息に誘導されるように、カイリ殿下の方を向く
カイリ殿下は片腕で目元を覆ってグッタリした様子だった
お疲れモードだ……
2人ともお仕事忙しいのね……
すると、トキ殿下の、腕が緩まる
「みさき。カイリ大変だったからさ。癒してあげて」
「?!」
どうやって?
癒すとは?
私何も出来ませんが……
トキ殿下は私を膝から下ろすと、カイリ殿下の方に送り出した
カイリ殿下の方に向かって数歩足を進める
なんか緊張する
私、何したらいいの?!
「あ…あの~。大丈夫……ですか?」
とりあえずぐったりしてるカイリ殿下の様子を伺った
カイリ殿下は私の声に反応して、腕に隠れた目元を覗かせる
すると、無言で手招きをして私を呼んだ
何をしたら良いのか分からないが、招かれるままカイリ殿下の目の前に立つ
殿下は私をじっと見つめて、両手を伸ばしてくる
トキ殿下のように、このまま腕の中に収まるのか?!と思って私も手を広げようとしたら、体をくるりと反転させられた
んん!!?
なされるがままにカイリ殿下に背を向けると、そのまま後ろに引っ張られる
「わっ……!」
バランスを崩すようにソファーに座り、結果、カイリ殿下は私を後ろから抱きしめ、肩にはカイリ殿下のおでこが乗っかっている
目の前に座るトキ殿下と目が合った
殿下はソファーにくつろいで座りながら、ニコニコしながらこちらを眺めている
えっと……私このままじっとしている感じですか?!
カイリ殿下は微動だにせず、無言で私を抱きしめ続ける
あの……これはこれで緊張してくるんですけど!!
すると、トキ殿下が席を立ち、こちらに近づいてきた
「カイリ。カーイーリ?」
トキ殿下の呼び掛けに反応しない
「カイリ寝てるね。」
「えっ?!!!!なんで!!?」
びっくりした。人はこんな一瞬で眠るものなの?しかも、こんな状況で……
「う~~ん……。みさきにはちょっと言いづらいんだけど、今、隣国のお客様が来ていてね…。その……。相手に手を焼いて連日まともに寝てないんだよ。」
カイリ殿下がこんなにお疲れモードなのは、ルゥ君達が押し掛けてきたって言ってた時以来だと思うんとけど、一国の王になる人は、おもてなしも大変なんだろう。
「お疲れ様……ですね」
「あぁ……うん……。」
トキ殿下は煮え切らない返事を返す
「まぁ、それで僕が朝廷の頭のお堅い人達の相手をしなきゃいけなくなって、もぅクタクタだよ」
トキ殿下は、カイリ殿下の頭に触れると、ボソボソ呪文を唱える
「どうせならこのまま寝かせておきたいんだけど……」
え?私、朝までこのままなんです?!
「さすがにこのままだと大変だから」
そう言って、トキ殿下はカイリ殿下の腕を剥がすと、俵担ぎで持ち上げる
「起きないんですか?!」
「ん?あぁ。ちょっと魔法使ってるから大丈夫だよ」
そんなに寝かせておきたいの?むしろなんで?
「さ。みさきも一緒に寝よっか」
「え?」
トキ殿下は私の手をとり、カイリ殿下を担いだまま、奥にある寝室へと歩みを進める
私はトキ殿下になされるがまま誘導されて、さっきのバックハグ状態になるようにベッドに寝かせられた
「あの……この状態じゃないとダメなんですかね?」
「多分これが一番いいよ」
抱き枕状態……カイリ殿下は抱き枕が好きなのか?
「幼い頃、大きなぬいぐるみ抱っこして寝てたからね……笑」
意外すぎる……
想像ができない……
トキ殿下が私の目の前に横になる
そして、私の前髪をサラリとよけ、おでこにチュッとキスをした
「……!!」
ナチュラル過ぎて声も出ないうちに、手を握られ、「おやすみ」と囁かれる
眠れない気がする……
後ろではカイリ殿下がスヤスヤと眠っている
目の前のトキ殿下も、目を閉じてしばらくすると、規則正しい寝息が感じられた
2人とも超お疲れモードだ
私も目を閉じると、気づいたら夢の世界に旅立って行った
この感じ……見たことあるな
「はぁ……」
空気の重たいため息が聞こえてくる
トキ殿下の膝の上に乗せられたまま、ため息に誘導されるように、カイリ殿下の方を向く
カイリ殿下は片腕で目元を覆ってグッタリした様子だった
お疲れモードだ……
2人ともお仕事忙しいのね……
すると、トキ殿下の、腕が緩まる
「みさき。カイリ大変だったからさ。癒してあげて」
「?!」
どうやって?
癒すとは?
私何も出来ませんが……
トキ殿下は私を膝から下ろすと、カイリ殿下の方に送り出した
カイリ殿下の方に向かって数歩足を進める
なんか緊張する
私、何したらいいの?!
「あ…あの~。大丈夫……ですか?」
とりあえずぐったりしてるカイリ殿下の様子を伺った
カイリ殿下は私の声に反応して、腕に隠れた目元を覗かせる
すると、無言で手招きをして私を呼んだ
何をしたら良いのか分からないが、招かれるままカイリ殿下の目の前に立つ
殿下は私をじっと見つめて、両手を伸ばしてくる
トキ殿下のように、このまま腕の中に収まるのか?!と思って私も手を広げようとしたら、体をくるりと反転させられた
んん!!?
なされるがままにカイリ殿下に背を向けると、そのまま後ろに引っ張られる
「わっ……!」
バランスを崩すようにソファーに座り、結果、カイリ殿下は私を後ろから抱きしめ、肩にはカイリ殿下のおでこが乗っかっている
目の前に座るトキ殿下と目が合った
殿下はソファーにくつろいで座りながら、ニコニコしながらこちらを眺めている
えっと……私このままじっとしている感じですか?!
カイリ殿下は微動だにせず、無言で私を抱きしめ続ける
あの……これはこれで緊張してくるんですけど!!
すると、トキ殿下が席を立ち、こちらに近づいてきた
「カイリ。カーイーリ?」
トキ殿下の呼び掛けに反応しない
「カイリ寝てるね。」
「えっ?!!!!なんで!!?」
びっくりした。人はこんな一瞬で眠るものなの?しかも、こんな状況で……
「う~~ん……。みさきにはちょっと言いづらいんだけど、今、隣国のお客様が来ていてね…。その……。相手に手を焼いて連日まともに寝てないんだよ。」
カイリ殿下がこんなにお疲れモードなのは、ルゥ君達が押し掛けてきたって言ってた時以来だと思うんとけど、一国の王になる人は、おもてなしも大変なんだろう。
「お疲れ様……ですね」
「あぁ……うん……。」
トキ殿下は煮え切らない返事を返す
「まぁ、それで僕が朝廷の頭のお堅い人達の相手をしなきゃいけなくなって、もぅクタクタだよ」
トキ殿下は、カイリ殿下の頭に触れると、ボソボソ呪文を唱える
「どうせならこのまま寝かせておきたいんだけど……」
え?私、朝までこのままなんです?!
「さすがにこのままだと大変だから」
そう言って、トキ殿下はカイリ殿下の腕を剥がすと、俵担ぎで持ち上げる
「起きないんですか?!」
「ん?あぁ。ちょっと魔法使ってるから大丈夫だよ」
そんなに寝かせておきたいの?むしろなんで?
「さ。みさきも一緒に寝よっか」
「え?」
トキ殿下は私の手をとり、カイリ殿下を担いだまま、奥にある寝室へと歩みを進める
私はトキ殿下になされるがまま誘導されて、さっきのバックハグ状態になるようにベッドに寝かせられた
「あの……この状態じゃないとダメなんですかね?」
「多分これが一番いいよ」
抱き枕状態……カイリ殿下は抱き枕が好きなのか?
「幼い頃、大きなぬいぐるみ抱っこして寝てたからね……笑」
意外すぎる……
想像ができない……
トキ殿下が私の目の前に横になる
そして、私の前髪をサラリとよけ、おでこにチュッとキスをした
「……!!」
ナチュラル過ぎて声も出ないうちに、手を握られ、「おやすみ」と囁かれる
眠れない気がする……
後ろではカイリ殿下がスヤスヤと眠っている
目の前のトキ殿下も、目を閉じてしばらくすると、規則正しい寝息が感じられた
2人とも超お疲れモードだ
私も目を閉じると、気づいたら夢の世界に旅立って行った
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
死んでるはずの私が溺愛され、いつの間にか救国して、聖女をざまぁしてました。
みゅー
恋愛
異世界へ転生していると気づいたアザレアは、このままだと自分が死んでしまう運命だと知った。
同時にチート能力に目覚めたアザレアは、自身の死を回避するために奮闘していた。するとなぜか自分に興味なさそうだった王太子殿下に溺愛され、聖女をざまぁし、チート能力で世界を救うことになり、国民に愛される存在となっていた。
そんなお話です。
以前書いたものを大幅改稿したものです。
フランツファンだった方、フランツフラグはへし折られています。申し訳ありません。
六十話程度あるので改稿しつつできれば一日二話ずつ投稿しようと思います。
また、他シリーズのサイデューム王国とは別次元のお話です。
丹家栞奈は『モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します』に出てくる人物と同一人物です。
写真の花はリアトリスです。
【完結】甘やかな聖獣たちは、聖女様がとろけるようにキスをする
楠結衣
恋愛
女子大生の花恋は、いつものように大学に向かう途中、季節外れの鯉のぼりと共に異世界に聖女として召喚される。
ところが花恋を召喚した王様や黒ローブの集団に偽聖女と言われて知らない森に放り出されてしまう。
涙がこぼれてしまうと鯉のぼりがなぜか執事の格好をした三人組みの聖獣に変わり、元の世界に戻るために、一日三回のキスが必要だと言いだして……。
女子大生の花恋と甘やかな聖獣たちが、いちゃいちゃほのぼの逆ハーレムをしながら元の世界に戻るためにちょこっと冒険するおはなし。
◇表紙イラスト/知さま
◇鯉のぼりについては諸説あります。
◇小説家になろうさまでも連載しています。
召喚から外れたら、もふもふになりました?
みん
恋愛
私の名前は望月杏子。家が隣だと言う事で幼馴染みの梶原陽真とは腐れ縁で、高校も同じ。しかも、モテる。そんな陽真と仲が良い?と言うだけで目をつけられた私。
今日も女子達に嫌味を言われながら一緒に帰る事に。
すると、帰り道の途中で、私達の足下が光り出し、慌てる陽真に名前を呼ばれたが、間に居た子に突き飛ばされて─。
気が付いたら、1人、どこかの森の中に居た。しかも──もふもふになっていた!?
他視点による話もあります。
❋今作品も、ゆるふわ設定となっております。独自の設定もあります。
メンタルも豆腐並みなので、軽い気持ちで読んで下さい❋
「お前を愛するつもりはない」な仮面の騎士様と結婚しました~でも白い結婚のはずなのに溺愛してきます!~
卯月ミント
恋愛
「お前を愛するつもりはない」
絵を描くのが趣味の侯爵令嬢ソールーナは、仮面の英雄騎士リュクレスと結婚した。
だが初夜で「お前を愛するつもりはない」なんて言われてしまい……。
ソールーナだって好きでもないのにした結婚である。二人はお互いカタチだけの夫婦となろう、とその夜は取り決めたのだが。
なのに「キスしないと出られない部屋」に閉じ込められて!?
「目を閉じてくれるか?」「えっ?」「仮面とるから……」
書き溜めがある内は、1日1~話更新します
それ以降の更新は、ある程度書き溜めてからの投稿となります
*仮面の俺様ナルシスト騎士×絵描き熱中令嬢の溺愛ラブコメです。
*ゆるふわ異世界ファンタジー設定です。
*コメディ強めです。
*hotランキング14位行きました!お読みいただき&お気に入り登録していただきまして、本当にありがとうございます!
愛を知らない「頭巾被り」の令嬢は最強の騎士、「氷の辺境伯」に溺愛される
守次 奏
恋愛
「わたしは、このお方に出会えて、初めてこの世に産まれることができた」
貴族の間では忌み子の象徴である赤銅色の髪を持って生まれてきた少女、リリアーヌは常に家族から、妹であるマリアンヌからすらも蔑まれ、その髪を隠すように頭巾を被って生きてきた。
そんなリリアーヌは十五歳を迎えた折に、辺境領を収める「氷の辺境伯」「血まみれ辺境伯」の二つ名で呼ばれる、スターク・フォン・ピースレイヤーの元に嫁がされてしまう。
厄介払いのような結婚だったが、それは幸せという言葉を知らない、「頭巾被り」のリリアーヌの運命を変える、そして世界の運命をも揺るがしていく出会いの始まりに過ぎなかった。
これは、一人の少女が生まれた意味を探すために駆け抜けた日々の記録であり、とある幸せな夫婦の物語である。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」様にも短編という形で掲載しています。
【本編完結】五人のイケメン薔薇騎士団団長に溺愛されて200年の眠りから覚めた聖女王女は困惑するばかりです!
七海美桜
恋愛
フーゲンベルク大陸で、長く大陸の大半を治めていたバッハシュタイン王国で、最後の古龍への生贄となった第三王女のヴェンデルガルト。しかしそれ以降古龍が亡くなり王国は滅びバルシュミーデ皇国の治世になり二百年後。封印されていたヴェンデルガルトが目覚めると、魔法は滅びた世で「治癒魔法」を使えるのは彼女だけ。亡き王国の王女という事で城に客人として滞在する事になるのだが、治癒魔法を使える上「金髪」である事から「黄金の魔女」と恐れられてしまう。しかしそんな中。五人の美青年騎士団長たちに溺愛されて、愛され過ぎて困惑する毎日。彼女を生涯の伴侶として愛する古龍・コンスタンティンは生まれ変わり彼女と出逢う事が出来るのか。龍と薔薇に愛されたヴェンデルガルトは、誰と結ばれるのか。
この作品は、小説家になろうにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる