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91.頭痛の原因はクリスタルでした

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目を開けると、カイリ殿下がベッドの縁で私の手を握って、頭を撫でていた
手から伝わるカイリ殿下の温かさにホッとする

「目が覚めたか?」
ボーっとして返事も出来ずに天井を見つめる
「もう少し眠っていて良いぞ」
そう言って、私の頭を優しく撫で続ける

「カイリ殿下は、何でこうしてくれるんですか?」
私はふと疑問に思って聞いた

「ん?」
殿下は『何が?』という顔をして、私の手を握っている手をちらっと見て、私の頭を撫でる手を離した

「すまない。つい癖でな……」
「ルゥ達が体調崩した時に、眠れないって言うから、こうしてやってるうちに癖になってしまったようだ……」

つまり、こうやって寝入りを見守るってのが板に着いてしまってるわけですね……

この感じだと、多分トキ殿下も同じ理由なんだろうな……

良い兄弟だな~

ボーっとそんなことを考えていると、ガチャっとドアが開く音がした

「どぅ?具合は?」
そう言ってトキ殿下が近づいてくる
体が重くて動かせなくて、天井を見つめたままトキ殿下の気配を隣に感じる

「大丈夫?」
そう言って、私の頬をスルッとなでた
夢で見たような不快な手の感覚とは違って、トキ殿下の手は私の頬に熱をともす

「頭が痛い……気がします」
動かす気力がないし、体もなんか重いし、頭はズキズキとした鈍い痛みが続いている。

すると、トキ殿下は、ピンクの小瓶を取り出して、片手で器用に蓋を開けた
そのままグイッと小瓶の中のものを口に含むと、私の唇に親指をかける
私はその指に反応して口元を弛めて、だらしなく口を開けた

トキ殿下の顔がゆっくり近ずいてくる
そのまま口移しで小瓶の中身が私の口の中に注がれた

トキ殿下の魔法薬は、口の中でフワリと消えて、全身にひろがった

フワフワとした癒しの空気が体を包む
頭が軽い

「うん。良さそうだね。」
トキ殿下は効果の程を観察すると、私の背中に手を添え、半身を起き上がらせてくれる

頭痛はしないし、体も軽い。ただ動く気力はない
私はなされるがまま、トキ殿下の肩に頭を預けると、殿下は私の背中をトントンとリズムよく触れる

あ。トキ殿下にもルゥ君の寝かしつけエピソードが……ある……はず……

そんなことを聞きたかったけど、言葉にならなくて、そのままトキ殿下の腕の中でウトウトと眠りについた
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