89 / 137
89.原因
しおりを挟む
「この街は開発が進み、この協会の周りにも高層建造物がいくつも建てられました」
「街の人は街の進展と開発に熱心で、この教会にも、土地を明け渡すように。というお話が来たのですが、こちらのクリスタルを移動することは不可能ですので、お断りし続けたのですが……」
シスターの顔色はどんどん曇っていく
「建造物の建築計画は進む一方で、結果、この周辺に教会を囲むように高層建造物がいくつも建てられました」
「その頃からです。これまでこちらに礼拝に来ていた人も、少なくなり、クリスタルは輝きをどんどん失っていきました。そして、ある噂が広まり始めました」
「その噂ってもしかして?」
ルイ君が合いの手を入れた
「……はい。この教会は黒魔術を行っている。というものです」
「で?それは本当のことなの?」
ルカ君が話の続きを求めた
「いいえっ!!!決してそのようなことはっっ!!!」
シスターは勢いよく否定した
カイリ殿下は、ステンドグラスを見上げた
一切の光は届かず、クリスタルは薄黒く濁りを貯めている
「届かない……か……」
カイリ殿下はシスターに向き直ると、
「クリスタルについて、どのように伝え聞いている?」
と問う
「こちらのクリスタルに祈ることで、負の魔力を浄化し、心を清く保てる。と。」
「そうか。では、なぜ教会の窓がクリスタルに光を集めるように作られているか知っているか?」
「いえ……。」
シスターは申し訳なさそうに答えた
確かに、私のいる教会のクリスタルも、日中は陽の光を浴びてキラキラと輝き、夜は月の光を集めて神秘的な輝きを見せる
綺麗だな~くらいにしか思ってなかったけど、何か意味がある気がする
多分、ユミさんは私に説明してくれたんだろうけど、ふ~んって右から左に聞き流しちゃってた……気がします。はい。
「クリスタルにとって、光は浄化の手助けとなる。その光が届かなくては、溜まった魔力の穢れを浄化しきれずに、こうして溜まる一方だ」
あ~~確かに。なんか似たような事聞いた気がする。
祈ることを忘れ、信仰は薄らぎ、人々の心が荒んでいく
消化しきれない負の感情は争いを産み、魔力はどんどん汚れる……負の連鎖だ
でも、クリスタルを通して、私が浄化してるってことは、このクリスタルを私が浄化できる……はずなのでは?
でも、それが出来ないからこんなことになってるの?
うーーん。自分のポンコツさにも呆れてしまう
どぅにかできないかな。と、私はクリスタルに歩みよった
頭痛の原因って、もしかしてこの亀裂?!
気になって、クリスタルの亀裂に触れる
すると……
「「「「危ないっ!!!!」」」」
え?
キーーン!という耳鳴りと共に
パリーンっと大きな音を立てて、クリスタルが砕けた
と、同時に、私も頭が割れるような頭痛に襲われ意識を失った
「街の人は街の進展と開発に熱心で、この教会にも、土地を明け渡すように。というお話が来たのですが、こちらのクリスタルを移動することは不可能ですので、お断りし続けたのですが……」
シスターの顔色はどんどん曇っていく
「建造物の建築計画は進む一方で、結果、この周辺に教会を囲むように高層建造物がいくつも建てられました」
「その頃からです。これまでこちらに礼拝に来ていた人も、少なくなり、クリスタルは輝きをどんどん失っていきました。そして、ある噂が広まり始めました」
「その噂ってもしかして?」
ルイ君が合いの手を入れた
「……はい。この教会は黒魔術を行っている。というものです」
「で?それは本当のことなの?」
ルカ君が話の続きを求めた
「いいえっ!!!決してそのようなことはっっ!!!」
シスターは勢いよく否定した
カイリ殿下は、ステンドグラスを見上げた
一切の光は届かず、クリスタルは薄黒く濁りを貯めている
「届かない……か……」
カイリ殿下はシスターに向き直ると、
「クリスタルについて、どのように伝え聞いている?」
と問う
「こちらのクリスタルに祈ることで、負の魔力を浄化し、心を清く保てる。と。」
「そうか。では、なぜ教会の窓がクリスタルに光を集めるように作られているか知っているか?」
「いえ……。」
シスターは申し訳なさそうに答えた
確かに、私のいる教会のクリスタルも、日中は陽の光を浴びてキラキラと輝き、夜は月の光を集めて神秘的な輝きを見せる
綺麗だな~くらいにしか思ってなかったけど、何か意味がある気がする
多分、ユミさんは私に説明してくれたんだろうけど、ふ~んって右から左に聞き流しちゃってた……気がします。はい。
「クリスタルにとって、光は浄化の手助けとなる。その光が届かなくては、溜まった魔力の穢れを浄化しきれずに、こうして溜まる一方だ」
あ~~確かに。なんか似たような事聞いた気がする。
祈ることを忘れ、信仰は薄らぎ、人々の心が荒んでいく
消化しきれない負の感情は争いを産み、魔力はどんどん汚れる……負の連鎖だ
でも、クリスタルを通して、私が浄化してるってことは、このクリスタルを私が浄化できる……はずなのでは?
でも、それが出来ないからこんなことになってるの?
うーーん。自分のポンコツさにも呆れてしまう
どぅにかできないかな。と、私はクリスタルに歩みよった
頭痛の原因って、もしかしてこの亀裂?!
気になって、クリスタルの亀裂に触れる
すると……
「「「「危ないっ!!!!」」」」
え?
キーーン!という耳鳴りと共に
パリーンっと大きな音を立てて、クリスタルが砕けた
と、同時に、私も頭が割れるような頭痛に襲われ意識を失った
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星井柚乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
拝啓 私のことが大嫌いな旦那様。あなたがほんとうに愛する私の双子の姉との仲を取り持ちますので、もう私とは離縁してください
ぽんた
恋愛
ミカは、夫を心から愛している。しかし、夫はミカを嫌っている。そして、彼のほんとうに愛する人はミカの双子の姉。彼女は、夫のしあわせを願っている。それゆえ、彼女は誓う。夫に離縁してもらい、夫がほんとうに愛している双子の姉と結婚してしあわせになってもらいたい、と。そして、ついにその機会がやってきた。
※ハッピーエンド確約。タイトル通りです。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。
【完結】薔薇の花をあなたに贈ります
彩華(あやはな)
恋愛
レティシアは階段から落ちた。
目を覚ますと、何かがおかしかった。それは婚約者である殿下を覚えていなかったのだ。
ロベルトは、レティシアとの婚約解消になり、聖女ミランダとの婚約することになる。
たが、それに違和感を抱くようになる。
ロベルト殿下視点がおもになります。
前作を多少引きずってはいますが、今回は暗くはないです!!
11話完結です。
偽物と断罪された令嬢が精霊に溺愛されていたら
影茸
恋愛
公爵令嬢マレシアは偽聖女として、一方的に断罪された。
あらゆる罪を着せられ、一切の弁明も許されずに。
けれど、断罪したもの達は知らない。
彼女は偽物であれ、無力ではなく。
──彼女こそ真の聖女と、多くのものが認めていたことを。
(書きたいネタが出てきてしまったゆえの、衝動的短編です)
(少しだけタイトル変えました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる