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63.朝を迎える
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目が覚めると、隣にはトキ殿下が眠っていた
そうだ。私、寝かしつけられたんだ
トキ殿下は、きっとあの感じでルゥ君達を甘々にしたのかもしれない
恐るべし、甘やかしのプロ
私もなんやかんや甘やかされてる気がする
「ん?おはよ……」
トキ殿下が目を覚ます
「おはようございます」
殿下は私を見つめ、目元をなぞる
「少し赤いね……」
私は自分の目元に意識を向けた
確かにちょっとヒリヒリする
記憶を遡る
夢を見た
私の記憶
封印された私の過去
良い思い出ではなく、思い出すのを体が拒んでいるようだ
「二度寝は成功かな?」
二度寝……
そういえば、途中で起きた気がする
ふんわりした記憶を辿る
泣いたのは夢じゃなくて、現実だったのかもしれない
感情に支配されて、自分のコントロールができなかった
ん?
なんならトキ殿下と会話した気もする
途中の記憶があまりない
でも、なんか……
私は無意識に自分の唇に指で触れる
ちょっと待って
いや………そんなことは……いや………
断片的に思い出す記憶に恥ずかしさが込み上げてきた
シーツをずりずりと頭の上まで被せて、きっと赤くなってるであろう顔を隠した
「おやおや。3度寝かな?」
トキ殿下はシーツの上からポンポンとリズムをとって、寝かしつけの体制に入った
いえ!もぅ寝ませんんんっ!
シーツの中でモゾモゾしつつ、観念して顔を出して、起き上がる
すると、トキ殿下も体を起こして伸びをした
私はその横顔を見つめた
「僕の魔法だとできることが限られちゃうから、ちょっと難しいかもね~」
そう言いながら私の手を握った
トキ殿下の手が少し冷たい私の手を包む
「この手のヤツはカイリの方が向いてると思うんだけど……」
そういえば、カイリ殿下に最近会っていない
前は毎日のように会っていたのに……
「そうだ。ちょうどいいから、カイリにおねだりしてごらんよ」
「はィ?」
おねだりとは?何をねだるのでしょう……
「カイリはさぁ、先日の件気にしてて、みさきに会いに行こうとしないんだよ?そんなカイリに自分から手を取れって言ったって、絶対アイツは出来ない!」
トキ殿下は力強く断言した
カイリ殿下とのただならぬ絆を感じる
殿下は私の方に体を向け、両手を軽く広げた
「はい、どーぞ」
「………」
「恥ずかしがらなくていいんだよ?ルゥ達なんて、僕がこうしなくても、姿を見た瞬間に飛びついて来るくらいなんだから」
もしや、トキ殿下がこのポーズをとったら胸元に飛びつかなければいけないというルールなんだろうか……
ハードルが高い……
「ん?」
トキ殿下は私が腕の中に収まるのを待っている
これは、やらないと終わらないやつ……
私はうつむきながら殿下の胸元に顔を寄せる
すると、広げられた両手が私を優しく包み込んで、背中をなでる
トキ殿下の腕の中は安心する
体の力が少し抜けると、私は控えめにトキ殿下の背中に腕を回した
殿下は私の頭を撫でながら、
「カイリにもこれくらい甘えてごらん?」
と言ってきた
いや……多分無理だと思います…
「カイリはみさきに嫌われてるって思ってるからね?……」
トキ殿下はクスクスと笑った
「そんなことっ……ありません」
「きちんと自分で言えるかい?」
多分言えない……
「今度、ルゥ達にお手本見せてもらいな?」
お手本……とは?
「さてと。僕は朝廷に出なきゃなないらしいから、もぅ行くけど、何かあったらすぐに知らせて」
そう言って、私の体を腕の中から解放する
「夕方にはカイリが来れると思うから、練習しておくんだよ?」
「練……習……」
その単語に私は1日中支配されて過ごすこととなった………
そうだ。私、寝かしつけられたんだ
トキ殿下は、きっとあの感じでルゥ君達を甘々にしたのかもしれない
恐るべし、甘やかしのプロ
私もなんやかんや甘やかされてる気がする
「ん?おはよ……」
トキ殿下が目を覚ます
「おはようございます」
殿下は私を見つめ、目元をなぞる
「少し赤いね……」
私は自分の目元に意識を向けた
確かにちょっとヒリヒリする
記憶を遡る
夢を見た
私の記憶
封印された私の過去
良い思い出ではなく、思い出すのを体が拒んでいるようだ
「二度寝は成功かな?」
二度寝……
そういえば、途中で起きた気がする
ふんわりした記憶を辿る
泣いたのは夢じゃなくて、現実だったのかもしれない
感情に支配されて、自分のコントロールができなかった
ん?
なんならトキ殿下と会話した気もする
途中の記憶があまりない
でも、なんか……
私は無意識に自分の唇に指で触れる
ちょっと待って
いや………そんなことは……いや………
断片的に思い出す記憶に恥ずかしさが込み上げてきた
シーツをずりずりと頭の上まで被せて、きっと赤くなってるであろう顔を隠した
「おやおや。3度寝かな?」
トキ殿下はシーツの上からポンポンとリズムをとって、寝かしつけの体制に入った
いえ!もぅ寝ませんんんっ!
シーツの中でモゾモゾしつつ、観念して顔を出して、起き上がる
すると、トキ殿下も体を起こして伸びをした
私はその横顔を見つめた
「僕の魔法だとできることが限られちゃうから、ちょっと難しいかもね~」
そう言いながら私の手を握った
トキ殿下の手が少し冷たい私の手を包む
「この手のヤツはカイリの方が向いてると思うんだけど……」
そういえば、カイリ殿下に最近会っていない
前は毎日のように会っていたのに……
「そうだ。ちょうどいいから、カイリにおねだりしてごらんよ」
「はィ?」
おねだりとは?何をねだるのでしょう……
「カイリはさぁ、先日の件気にしてて、みさきに会いに行こうとしないんだよ?そんなカイリに自分から手を取れって言ったって、絶対アイツは出来ない!」
トキ殿下は力強く断言した
カイリ殿下とのただならぬ絆を感じる
殿下は私の方に体を向け、両手を軽く広げた
「はい、どーぞ」
「………」
「恥ずかしがらなくていいんだよ?ルゥ達なんて、僕がこうしなくても、姿を見た瞬間に飛びついて来るくらいなんだから」
もしや、トキ殿下がこのポーズをとったら胸元に飛びつかなければいけないというルールなんだろうか……
ハードルが高い……
「ん?」
トキ殿下は私が腕の中に収まるのを待っている
これは、やらないと終わらないやつ……
私はうつむきながら殿下の胸元に顔を寄せる
すると、広げられた両手が私を優しく包み込んで、背中をなでる
トキ殿下の腕の中は安心する
体の力が少し抜けると、私は控えめにトキ殿下の背中に腕を回した
殿下は私の頭を撫でながら、
「カイリにもこれくらい甘えてごらん?」
と言ってきた
いや……多分無理だと思います…
「カイリはみさきに嫌われてるって思ってるからね?……」
トキ殿下はクスクスと笑った
「そんなことっ……ありません」
「きちんと自分で言えるかい?」
多分言えない……
「今度、ルゥ達にお手本見せてもらいな?」
お手本……とは?
「さてと。僕は朝廷に出なきゃなないらしいから、もぅ行くけど、何かあったらすぐに知らせて」
そう言って、私の体を腕の中から解放する
「夕方にはカイリが来れると思うから、練習しておくんだよ?」
「練……習……」
その単語に私は1日中支配されて過ごすこととなった………
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