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28.2人の過去
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「ボクはルイ。ルカと二人で、各都市の法を整備して、争いを収めるように交渉したりする仕事をしている」
「僕はルカ。ルイと一緒に各都市を回っている。王が不在の今、兄上が王位を正式に継承するまでの不安定な地方の統治が乱れないように、整えていくのが僕達の仕事」
すると、カイリ殿下が補足する
「統治が乱れれば、人々の心も乱れる。魔力は汚れるし、いいことは無いからな。争い事で流れる血ほど無意味なものは無い。2人のおかげで、地方も随分穏やかさを取り戻している」
すると、褒められた2人は瞳を輝かせた
「王都を離れて兄上と会えないのは寂しいけど……でも、ルカが一緒だから寂しくない。ルカと離れる時は死ぬ時くらい。いや、死ぬ時も一緒かな」
「離れたら生きていけないよ」
大袈裟な……と思ったけど、この2人の真剣な口調から、双子ってそういうものなのかな?と思った
「ルゥ達は一卵性だからな。2人で1人。それでいい」
カイリ殿下は少し寂しそうに遠くを見つめた
こんなにカイリ殿下好き好きで離れない2人なのに、ずっと地方を回ってる仕事をやってるのが意外~
「ボク達は二度とあんな辛い国にはなって欲しくない。だからだよ」
私の心の声が漏れたのか、ルイ君が答えた
「あれ?心の声漏れた?みたいな顔してるね?」
ルカくんがクスクス笑う
「ボクはね、だいたい誰が何考えてるか分かるし、聞き出すのも得意分野。」
そう言って、ルイくんはルカ君に背中を預けた
「僕の魔力特性は『無効化』どれだけ魔法で偽装して人を騙したり、嘘をついたり、そんなの僕の前では無意味だよ」
そう言って、ルカくんはルイ君と背中合わせになって、お互いが寄りかかりあっている
「「ボク達は、2人で1人。辛くても2人でなら乗り越えられる」」
そう言って、2人は過去に思いを馳せ、表情を曇らせた
とても辛いことが2人には沢山あったんだ
それを2人で乗り越えてきた
「みさきは王都の教会に住んでるんでしょ?」
「大丈夫だったの?」
「何が?」
いつの何のことを2人が言ってるのか分からなかった。けど、なんだか体がその話題を拒絶してる気がした
「ん?覚えてないの?あんな酷い惨状だったのに……。」
(酷い惨状?)
「教会にクリスタルが配置される前。穢れた魔力で地方には争いが耐えないし、王都なんて、その巣窟じゃん。良くそんなとこにいられたよなーって」
クリスタルが配置される前……?。
私は思い出そうとしたけど、思い出せない
元の世界からこの世界にやって来て、お姉様と会って、この世界で生活してたはずなんだけど、気がついたらお姉様は居ないし……
(そういえば、クリスタルは私と繋がっている。でも、なんで?)
「何言ってんだよルカ?クリスタルなんて、俺たちが生まれた時から教会にあるじゃんか」
『………え?………』
ルカ君以外の頭の上に疑問符が浮かんだ
「あれ?みさき?顔色悪いけど大丈夫?」
思い出せない記憶を辿ると、暗くて、冷たくて、どんどん体から血の気が引いて行くのがわかった。
「おい!大丈夫か?!」
カイリ殿下が隣で少し慌てている様子の声がするけど、私の意識はどんどん遠のいて行った
「僕はルカ。ルイと一緒に各都市を回っている。王が不在の今、兄上が王位を正式に継承するまでの不安定な地方の統治が乱れないように、整えていくのが僕達の仕事」
すると、カイリ殿下が補足する
「統治が乱れれば、人々の心も乱れる。魔力は汚れるし、いいことは無いからな。争い事で流れる血ほど無意味なものは無い。2人のおかげで、地方も随分穏やかさを取り戻している」
すると、褒められた2人は瞳を輝かせた
「王都を離れて兄上と会えないのは寂しいけど……でも、ルカが一緒だから寂しくない。ルカと離れる時は死ぬ時くらい。いや、死ぬ時も一緒かな」
「離れたら生きていけないよ」
大袈裟な……と思ったけど、この2人の真剣な口調から、双子ってそういうものなのかな?と思った
「ルゥ達は一卵性だからな。2人で1人。それでいい」
カイリ殿下は少し寂しそうに遠くを見つめた
こんなにカイリ殿下好き好きで離れない2人なのに、ずっと地方を回ってる仕事をやってるのが意外~
「ボク達は二度とあんな辛い国にはなって欲しくない。だからだよ」
私の心の声が漏れたのか、ルイ君が答えた
「あれ?心の声漏れた?みたいな顔してるね?」
ルカくんがクスクス笑う
「ボクはね、だいたい誰が何考えてるか分かるし、聞き出すのも得意分野。」
そう言って、ルイくんはルカ君に背中を預けた
「僕の魔力特性は『無効化』どれだけ魔法で偽装して人を騙したり、嘘をついたり、そんなの僕の前では無意味だよ」
そう言って、ルカくんはルイ君と背中合わせになって、お互いが寄りかかりあっている
「「ボク達は、2人で1人。辛くても2人でなら乗り越えられる」」
そう言って、2人は過去に思いを馳せ、表情を曇らせた
とても辛いことが2人には沢山あったんだ
それを2人で乗り越えてきた
「みさきは王都の教会に住んでるんでしょ?」
「大丈夫だったの?」
「何が?」
いつの何のことを2人が言ってるのか分からなかった。けど、なんだか体がその話題を拒絶してる気がした
「ん?覚えてないの?あんな酷い惨状だったのに……。」
(酷い惨状?)
「教会にクリスタルが配置される前。穢れた魔力で地方には争いが耐えないし、王都なんて、その巣窟じゃん。良くそんなとこにいられたよなーって」
クリスタルが配置される前……?。
私は思い出そうとしたけど、思い出せない
元の世界からこの世界にやって来て、お姉様と会って、この世界で生活してたはずなんだけど、気がついたらお姉様は居ないし……
(そういえば、クリスタルは私と繋がっている。でも、なんで?)
「何言ってんだよルカ?クリスタルなんて、俺たちが生まれた時から教会にあるじゃんか」
『………え?………』
ルカ君以外の頭の上に疑問符が浮かんだ
「あれ?みさき?顔色悪いけど大丈夫?」
思い出せない記憶を辿ると、暗くて、冷たくて、どんどん体から血の気が引いて行くのがわかった。
「おい!大丈夫か?!」
カイリ殿下が隣で少し慌てている様子の声がするけど、私の意識はどんどん遠のいて行った
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