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見上げた青に導かれて
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次の日、下駄箱で靴を履き替えている最中、昨日の倉長くんと翔平のやり取りを思い出し自然と笑みを零しながら教室へと向かった。
「亜美ちゃん! おはよう」
教室のドアをくぐると最初に声をかけてきたのは千佳ではなくて唐沢くんで、ニコリと笑いながら私を手招きする。その周りには千佳と倉長くんもいて、ふたりの視線が一気に私に集中した。
「亜美、おはよう。ここ座って」
三人のところに向かうと千佳にそう促され、倉長くんの隣の席へと腰を下ろした。
「おはよう」
「おはよう、昨日はありがとう」
倉長くんとそんな会話を交わしていると、唐沢くんがにんまりと笑いながら口を開いた。
「来週の土曜、部活が休みになったから四人でどこかに遊びに行きたいなって思って。千佳ちゃんはオッケーみたいなんだけど、亜美ちゃんは予定空いてる?」
まさかのお誘いだった。
昨日の駅前でのやり取りが頭に蘇る。どうやら社交辞令ではなかったらしい。
幸い来週の土曜はバイトもないし予定は空いている。唐沢くんの提案には驚いたけれども、千佳も一緒だというのならば別に断る理由はないのかな。
「……うん。空いてるよ」
「じゃあ決まりだね。詳しいことはグループトークで決めよ」
唐沢くんがそう言った直後、ショートホームルームの始まりを知らせる鐘が鳴り響いた。みんな各々の席へと戻り始め、私も自分の席に腰を下ろした。
「倉長くん、土曜のこと……断らなくてよかったの?」
隣の席に座る彼に小声でそう問いかけた。
「別にいいんじゃないか? 唐沢に俺らがラブラブなところを見せつけてやれば」
意外にも倉長くんはそんな冗談を言って、クスクスと笑い出した。
「そんなこと言って。例の件バレたらどうするの?」
倉長くんが唐沢くんに私たちの本当の関係を告げていないことを知ったのは、昨日自宅に送ってもらう最中だった。唐沢くんはおしゃべりだから伝えない方がいいと思ってそうしたらしいけれど。
それはそれでどう反応していいか分からず、私が困るんですけどね。
「じゃあいっそのこと、嘘じゃなくて本当にしてみるとか?」
倉長くんが頬づえをつきながら悪戯っぽく笑い、こちらを見る。
「え?」
それって……。
知らず知らずのうちに頬が熱くなっていき、こちらに向けられる悪戯っぽいまなざしに耐えられなくなって瞳を揺らす。
「またそうやって人のことをからかって」
「本気でそう思ってるって言ったら……どうする?」
予想外の問いだ。
瞳を揺らしながら視線を送ると、そこには真剣なまなざしを浮かべる彼の姿があってドキッとする。
「えっと……それは、その……」
返答に困っていたら担任が教室に入って来て意識がそちらに動いた。
「……亜美の答えを聞くのは、また今度の楽しみに取っておく」
彼はそう言ってフッと笑い、何事もなったかのように担任の話に耳を傾け始めた。
「亜美ちゃん! おはよう」
教室のドアをくぐると最初に声をかけてきたのは千佳ではなくて唐沢くんで、ニコリと笑いながら私を手招きする。その周りには千佳と倉長くんもいて、ふたりの視線が一気に私に集中した。
「亜美、おはよう。ここ座って」
三人のところに向かうと千佳にそう促され、倉長くんの隣の席へと腰を下ろした。
「おはよう」
「おはよう、昨日はありがとう」
倉長くんとそんな会話を交わしていると、唐沢くんがにんまりと笑いながら口を開いた。
「来週の土曜、部活が休みになったから四人でどこかに遊びに行きたいなって思って。千佳ちゃんはオッケーみたいなんだけど、亜美ちゃんは予定空いてる?」
まさかのお誘いだった。
昨日の駅前でのやり取りが頭に蘇る。どうやら社交辞令ではなかったらしい。
幸い来週の土曜はバイトもないし予定は空いている。唐沢くんの提案には驚いたけれども、千佳も一緒だというのならば別に断る理由はないのかな。
「……うん。空いてるよ」
「じゃあ決まりだね。詳しいことはグループトークで決めよ」
唐沢くんがそう言った直後、ショートホームルームの始まりを知らせる鐘が鳴り響いた。みんな各々の席へと戻り始め、私も自分の席に腰を下ろした。
「倉長くん、土曜のこと……断らなくてよかったの?」
隣の席に座る彼に小声でそう問いかけた。
「別にいいんじゃないか? 唐沢に俺らがラブラブなところを見せつけてやれば」
意外にも倉長くんはそんな冗談を言って、クスクスと笑い出した。
「そんなこと言って。例の件バレたらどうするの?」
倉長くんが唐沢くんに私たちの本当の関係を告げていないことを知ったのは、昨日自宅に送ってもらう最中だった。唐沢くんはおしゃべりだから伝えない方がいいと思ってそうしたらしいけれど。
それはそれでどう反応していいか分からず、私が困るんですけどね。
「じゃあいっそのこと、嘘じゃなくて本当にしてみるとか?」
倉長くんが頬づえをつきながら悪戯っぽく笑い、こちらを見る。
「え?」
それって……。
知らず知らずのうちに頬が熱くなっていき、こちらに向けられる悪戯っぽいまなざしに耐えられなくなって瞳を揺らす。
「またそうやって人のことをからかって」
「本気でそう思ってるって言ったら……どうする?」
予想外の問いだ。
瞳を揺らしながら視線を送ると、そこには真剣なまなざしを浮かべる彼の姿があってドキッとする。
「えっと……それは、その……」
返答に困っていたら担任が教室に入って来て意識がそちらに動いた。
「……亜美の答えを聞くのは、また今度の楽しみに取っておく」
彼はそう言ってフッと笑い、何事もなったかのように担任の話に耳を傾け始めた。
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