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真実 part6
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「これが私の隠してたことの全てかな……」
彼女が隠していたことを全て明かされ、僕は戸惑いを隠せないでいた。
彼女の行動に疑問を感じて、本当のことを聞いたのは紛れもない僕自身だ。
けれども、これほどのことだとは正直思っていなかった。
しかしまあ、彼女はこうして話してくれたのだ。それはつまり、彼女の話で出てきた未来の僕の発言の通り、彼女は一人で抱え込んでいるのが辛くなったのかもしれない。であるならば、僕が彼女にまずかけるべき言葉は……
「話してくれてありがとう」
これしかなかった。
彼女に言葉をかけ、思考を整理したところで僕は頭の中に浮かんだ疑問を解消するべく彼女にいくつか質問することにした。
「何個か質問してもいいかな?」
「うん」
力なく答える彼女に僕は一つ目の質問をする。
「君が話してくれた過去?未来?どう言ったらいいのかわからないけど……君の話の中では宮下さんが部に入ったのは四月の中旬で、今の時代と入った時期が違うみたいだけどどうして?」
「それは、私が部員集めをする時に昔と違う方法をとるように誘導したから。話した通り昔は全員が一緒の場所で勧誘活動をしていたけど、今の時代では今の私が一人で行動することで咲ちゃんと会う時間を早めたの」
「なるほど……」
そういうことだったか。これで、一つ目の疑問は解消できた。
「あと、もう一つ。宮下さんは僕の家にゲームしに来てなかったみたいだけど、今の時代に宮下さんが僕の家にゲームをしに来たのは君が何かしたの?」
「うん、私が咲ちゃんに言ったの。部員と仲良くなりたいなら遊びに行くときには自分の気持ちを正直になって、その気持ちを伝えるべきだって……」
「そっか……」
彼女の話を聞くに、どうやら宮下さんを救うために宮下さんに本当の気持ちを伝えさせようとしたらしい。そして、その効果もあって宮下さんは僕の家にゲームしに来るようになったということか。
だからこそ、宮下さんが僕の家に来れなくなった日は残念がっていたのだろう。
彼女の宮下さんを救いたいという気持ちは嫌というほど伝わってきた。ここにきて嘘をついているということもないだろう。それは、彼女の顔を見ればわかる。
であるならば、話を聞き、彼女と目的を共有した僕にできることは一つしかない。
「僕も宮下さんを救うのに協力するよ」
僕は彼女に対してそう宣言した。
彼女が隠していたことを全て明かされ、僕は戸惑いを隠せないでいた。
彼女の行動に疑問を感じて、本当のことを聞いたのは紛れもない僕自身だ。
けれども、これほどのことだとは正直思っていなかった。
しかしまあ、彼女はこうして話してくれたのだ。それはつまり、彼女の話で出てきた未来の僕の発言の通り、彼女は一人で抱え込んでいるのが辛くなったのかもしれない。であるならば、僕が彼女にまずかけるべき言葉は……
「話してくれてありがとう」
これしかなかった。
彼女に言葉をかけ、思考を整理したところで僕は頭の中に浮かんだ疑問を解消するべく彼女にいくつか質問することにした。
「何個か質問してもいいかな?」
「うん」
力なく答える彼女に僕は一つ目の質問をする。
「君が話してくれた過去?未来?どう言ったらいいのかわからないけど……君の話の中では宮下さんが部に入ったのは四月の中旬で、今の時代と入った時期が違うみたいだけどどうして?」
「それは、私が部員集めをする時に昔と違う方法をとるように誘導したから。話した通り昔は全員が一緒の場所で勧誘活動をしていたけど、今の時代では今の私が一人で行動することで咲ちゃんと会う時間を早めたの」
「なるほど……」
そういうことだったか。これで、一つ目の疑問は解消できた。
「あと、もう一つ。宮下さんは僕の家にゲームしに来てなかったみたいだけど、今の時代に宮下さんが僕の家にゲームをしに来たのは君が何かしたの?」
「うん、私が咲ちゃんに言ったの。部員と仲良くなりたいなら遊びに行くときには自分の気持ちを正直になって、その気持ちを伝えるべきだって……」
「そっか……」
彼女の話を聞くに、どうやら宮下さんを救うために宮下さんに本当の気持ちを伝えさせようとしたらしい。そして、その効果もあって宮下さんは僕の家にゲームしに来るようになったということか。
だからこそ、宮下さんが僕の家に来れなくなった日は残念がっていたのだろう。
彼女の宮下さんを救いたいという気持ちは嫌というほど伝わってきた。ここにきて嘘をついているということもないだろう。それは、彼女の顔を見ればわかる。
であるならば、話を聞き、彼女と目的を共有した僕にできることは一つしかない。
「僕も宮下さんを救うのに協力するよ」
僕は彼女に対してそう宣言した。
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