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後編①
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己の肩に女の両膝を担ぎ上げ、蜜の滴る肉壺を啜る。
花芯はまだ小さく未成熟で、被皮を剥いてそれも口のなかに含む様にして舐めると、痙攣するように女の腰が震え、こぽり、と音をたてて蜜が奥から溢れ、啜りきれずに白い尻に垂れていく。
頭を痺れさせるような甘く青い匂いの蜜は男の芯を熱く焚き付ける。
じゅるじゅると啜ると女は嫌々をするように顔を振り乱し、声を上げながら眦から涙が溢れていくのが見えた。
その涙すら、男の欲を昂らせていく。
暴れる両手を男の膝で床に抑えつけ、貪る様にひたすら啜りながら、昂る己の物がかつてない程に硬く立ち上がるのが堪らなく熱い。
ぎちぎちと音を立てているのではないかと思う程だ。
「そら、しっかり解してやろう」
女の股座から顔をあげ舐めるのをやめるが、まだまだ貪りたい気もする。
青い果実だが甘く美味い。もっと溢れさせたいと、そのまま指を挿し入れ、ぐちゅぐちゅと態とらしく水音を立てながら掻き回す。
掻き回しながら抜き差しすると女の高い拒絶の悲鳴に艶が加わり、相反するその姿が堪らなく腰にくる。
「やめっ..ぁぁぁ!!!やめ...やだぁ...ひぃん...ぁあぁっ...んあっ!!」
蜜壺を抜き差ししながら、空いた片手で花芯をつまみ上げると高く啼きながら腰が跳ねる。
「気をやったか?ほら、ほら、もっと逝けっ!逝け逝け逝けっ...逝け!」
親指と人差し指、中指で輪を作った右手を速く抜き差ししながら、臍の下から恥骨の間をくっと押しながら揺する。
こうしてやると女の体は奥の奥から逃げられない快感を覚えていくのだ。
この若い体に快楽を刻み付けたい、覚えさせ己を求めさせたい...そんな感情が紅い燠の様に男の中に燻ってめらめらと燃え盛りそうだ。
律する事の出来ぬこの狂暴な感情は、叩きつけ吐き出せば納まるのだろうか。
絶え間なく抜き差ししながら手根部で花芯を押し込むように捏ねてやると、腰が跳ねて女の声が変わった。
高く高く断続的な喘ぎを上げながら幾度も果てたのがわかる。
抜き差しする指を飲み込もうとぐいぐいと蜜壺が蠢くのだ。
この隙に下腹を揺するのをやめ、たゆたゆと女の腰の動きに合わせて揺れる乳房を鷲掴む。
淡い鴇色の頂きは薄紅色うすくれないに染まりつんと立ち上がり固く尖り美味そうだ。
べろり、と舐めると男が与えた濡れた色で、ぬらぬらと光り、更に淫靡な光景になる。
もっと濡らせと震えながら誘っているようだ。
片手で揉み込みながら、舌先で舐る。
頂きは押し込むようにぐりぐりと舐る。
ねろねろと舌全体を使って舐める。
時折がぶりと乳輪も含めながら噛む。
無我夢中で女の乳房を堪能した。
ひくひくと女が震える度に、あらゆる手技で乳房をまさぐる。
「...んぁっ...ぃ..ゃぁ...」
女の小さく抜けるような声が耳に届く度にもっとこの女の官能を暴きたい、苛責して身悶えたさせたいと、男の呼吸が更に荒く熱くなる。
蜜壺は膝でその入り口を突いて、閉じさせない。
女は無意識に腿に、膝に力を入れて閉じようとするのも、まだ中に埋められた事がない無意識からくる反応で、初物を暴く事を冥く喜んでしまう。
ばたばたと跳ね暴れる腰を体で抑えつけ、その細い手首を纏めて片手に掴み、女の頭上に圧しつける。
「や...ぁっ!止めて!こんなっ...!や...めろぉぉ...」
泣きわめく声を口づけで塞ぎ、暴れる舌を少し強く噛むと、くぐもった嗚咽を洩らしながら女は涙を流す。
それを尚、じゅくじゅくと唾きを纏わせて口内を犯す。
怯えからか舌が奥に縮まっているのを追い詰め、舐りながら吸い出すと、女の匂いが己の中へと香って堪らない。
飲むほどに甘く頭が痺れる。
「上の口も下の口もアンタ美味ぇな。いい匂いだ。堪らねぇ」
耳に囁くと嫌々と弱々しく首を振るが、もう然程暴れる力はないのか、強張ったままで涙を流すだけになった。
「いい子にしてな?恐くねぇように開いてやるからな。」
勝手な言い分だと理性の片隅で思った。
それでも。
この女を暴かねば渇きは癒えぬと男の本能が囁く。
乱れた晒布から覗き溢れるまろい乳房。
着物の裾は完全にはだけて、腰紐で辛うじて結ばれているだけ。
薄い床敷きに広がる髪。
まるで緊縛されているような有り様で扇情的で、まさに『目の毒』だ。
しゅるしゅると衣擦れる音を態と立てながら、男は己の着物を脱ぎ捨てた。
腰紐をそのまま女の両手首を手際よく縛り付ける。
白い手首に荒縄が掛かるのは官能を冥く揺さぶる。
黒い髪が乱れたままに床に広がり、白く丸い乳が荒い息に上下するのも、細くたおやかな腰のあたりに乱れた裾が広がるのも、柔らかな丸みを帯びた太股から、曲線を描きながら細く括れていく脹ら脛、足首、と、まさに【女】だ。
介抱されていたときは、熱でぼんやりとしていたからか、顔を認識していなかったが、大きく黒目がちな瞳は目尻が垂れていて、うっとりと見詰められるだけでも、男なら庇護欲と嗜虐欲を唆られる妖しい色香を感じるだろうし、小さく紅いぽってりとした唇に貪りつきたい衝動に駆られるだろう。
【上物】だ、それもかなりの上物。
それがこんな荒屋...人気の無い所に一人...
女の荒く上下する胸が、女の恐怖をまざまざと男に見せつけ、男の荒い息遣いが男の興奮を女へ恐怖として見せつけていく。
*
なんで、と何度も思った。
漸く逃げたのに、これは何の罰なのか...とも。
助けたりしなければ良かった。
助けるだなんて、なんて傲慢な事をしてしまったのだ。
あの夜、海岸に降りなければ。
あのまま、捨て置けば。
せっかく逃げてきたのに。
村からしたら高い金額かもしれないけれど、自身を...夜を...人生を...魂を売るなんて恐怖でしかなかった。
女衒の男は道中は飯を食わせてくれたり、着物を綺麗な物にと替えてくれたり、湯を使わせてくれたりと優しかったが、花街が見えた辺りから恐いものに変化した。
具合を確かめなければ、といいながら執拗に触られるのが恐かった。
昂る男性自身の赤黒いおぞましさに、それを喉奥へと突き込まれ、幾度も幾度も挿し入れられたのも恐かった。
『値を下げるわけにゃぁいかねぇからな』と男の重い体にのし掛かられ、股肉の間を肉の棒で擦られるのも、白濁を腹に掛けられるのも恐かった。
恐いまま花街の門をくぐれば、更に恐いものが待っていた。
首筋まで塗られる白粉も唇に塗られる紅も、重い花簪や櫛も、飯や寝台すらも何もかもが借財になるという。
己には何もないどころか身を切っても切っても増えることがない恐怖。
唄や三味線の稽古も、舞の稽古も習字や茶と詰め込むように習わされ、その成果を出さねば折檻されるのも。
閨の為の手練手管の練習と言われて、女将の見ている前で、下男だという物無しの愛撫を受けるのも、その男にやれと言われて愛撫を返すのも...何もかもが恐怖でしかなく。
生きることが恐怖でしかない日々を過ごしながら、2年も経たぬ日々を戦々恐々と怯えて過ごしながら。
あの夜女将の部屋に呼ばれたのだ。朧にしか思い出せないが、語られたのは【初物としてだとか...花魁候補だとか...高値が付いた】と言われて何故喜べるのだ。
恐くて恐くて堪らなくて、『高価なおべべまで贈られて白柳は店の宝になる娘だよ』と金糸銀糸に彩られた着物を畳んでいるその背中から...女将の背中から、机の上の文鎮を女将の頭に思いきり降り下ろし、逃げたのだ。
稽古にいく振りをして門をでた。捕まれば只では済まない。もう、後戻りはできないのだ。
だから
これは恐怖から逃げた事への罰なのかもしれない。
肌を撫で回され流れるままに...逆らうことを止めれば...もしかしたら少しでも贖罪になるのだろうか。
ならば、このまま組敷かれたままでいるしかないのかもしれない。
*
荒い息遣いと這い回る舌や、撫で回す手が女の体にぞわぞわとした何かを生み始め、蜜壺を啜られ、尻を持ち上げられながら撫で回される度にぞわりぞわり...とその何かは下腹の中をきゅっとさせる。
きゅっとそこが締まる度に全身に堪らない震えが走る。
先の痺れ高まる感覚とは違う。もっと深い何かが腹の中に渦巻いている。
「あっあっあっあっ...!」
首筋にがぶりと噛みつかれ、乳首を軽く捻られ擦られると出したくもない甘い声が漏れる。
「ああああああっ!んあっんあっあっあっ...ああーーーーっ!」
断続的に蜜壺を指が抜き挿ししながら、中の肉壁を撫で回されると声も腰も勝手に止まらなくなる。
「そろそろいいな...」
男の低い声が霞がかかったような茫とした思考の止まった頭に届いた。
「え...?」
男は女の頬に熱く太い何かをぴとり、と圧し当ててきた。
「ひぃっ...!」
女衒よりも長く太いそれが、男の股間から立ち昇っているのも、火照る己の体よりもその芯棒の方が熱い事も恐い。
「これで気持ちよくしてやるからな。介抱してくれた礼だ」
両脚を限界まで拡げられる。
太腿を抑えつけられ、女の真ん中をぬらぬらと濡れた棒を擦り付けながら、男の腰が揺れる。尖端を擦り付けてくる。ぐっと男の腰が強張る。
ぬぷ...と濡れた音がした。
ずっ!と男の腰が沈んだ。
その瞬間
「や、やめて...やだやだやだやだや...あ゛っい痛いッやめてやめて...壊れるッ壊れちゃう!
痛い痛い痛いッやぁぁぁっ!やだぁーぁぁあぁあ...っ!」
女の体を熱い杭が割り入った。
避ける、と女は本能から恐怖した。
壊される、と恐怖した。
痛みからか、男の抽送が激しいからか、女の体が床敷から逃げるようにずれて行く。
男の大きな手が女の小さな肩を掴んでガツガツと腰を振る。
体中の空気が短い喘ぎ声となって絞り出されるようだ。
「あ゛っ!あ゛っ!あ゛っ!!...んっひぃんっ...やっ!あっあっあっあっ...」
花芯はまだ小さく未成熟で、被皮を剥いてそれも口のなかに含む様にして舐めると、痙攣するように女の腰が震え、こぽり、と音をたてて蜜が奥から溢れ、啜りきれずに白い尻に垂れていく。
頭を痺れさせるような甘く青い匂いの蜜は男の芯を熱く焚き付ける。
じゅるじゅると啜ると女は嫌々をするように顔を振り乱し、声を上げながら眦から涙が溢れていくのが見えた。
その涙すら、男の欲を昂らせていく。
暴れる両手を男の膝で床に抑えつけ、貪る様にひたすら啜りながら、昂る己の物がかつてない程に硬く立ち上がるのが堪らなく熱い。
ぎちぎちと音を立てているのではないかと思う程だ。
「そら、しっかり解してやろう」
女の股座から顔をあげ舐めるのをやめるが、まだまだ貪りたい気もする。
青い果実だが甘く美味い。もっと溢れさせたいと、そのまま指を挿し入れ、ぐちゅぐちゅと態とらしく水音を立てながら掻き回す。
掻き回しながら抜き差しすると女の高い拒絶の悲鳴に艶が加わり、相反するその姿が堪らなく腰にくる。
「やめっ..ぁぁぁ!!!やめ...やだぁ...ひぃん...ぁあぁっ...んあっ!!」
蜜壺を抜き差ししながら、空いた片手で花芯をつまみ上げると高く啼きながら腰が跳ねる。
「気をやったか?ほら、ほら、もっと逝けっ!逝け逝け逝けっ...逝け!」
親指と人差し指、中指で輪を作った右手を速く抜き差ししながら、臍の下から恥骨の間をくっと押しながら揺する。
こうしてやると女の体は奥の奥から逃げられない快感を覚えていくのだ。
この若い体に快楽を刻み付けたい、覚えさせ己を求めさせたい...そんな感情が紅い燠の様に男の中に燻ってめらめらと燃え盛りそうだ。
律する事の出来ぬこの狂暴な感情は、叩きつけ吐き出せば納まるのだろうか。
絶え間なく抜き差ししながら手根部で花芯を押し込むように捏ねてやると、腰が跳ねて女の声が変わった。
高く高く断続的な喘ぎを上げながら幾度も果てたのがわかる。
抜き差しする指を飲み込もうとぐいぐいと蜜壺が蠢くのだ。
この隙に下腹を揺するのをやめ、たゆたゆと女の腰の動きに合わせて揺れる乳房を鷲掴む。
淡い鴇色の頂きは薄紅色うすくれないに染まりつんと立ち上がり固く尖り美味そうだ。
べろり、と舐めると男が与えた濡れた色で、ぬらぬらと光り、更に淫靡な光景になる。
もっと濡らせと震えながら誘っているようだ。
片手で揉み込みながら、舌先で舐る。
頂きは押し込むようにぐりぐりと舐る。
ねろねろと舌全体を使って舐める。
時折がぶりと乳輪も含めながら噛む。
無我夢中で女の乳房を堪能した。
ひくひくと女が震える度に、あらゆる手技で乳房をまさぐる。
「...んぁっ...ぃ..ゃぁ...」
女の小さく抜けるような声が耳に届く度にもっとこの女の官能を暴きたい、苛責して身悶えたさせたいと、男の呼吸が更に荒く熱くなる。
蜜壺は膝でその入り口を突いて、閉じさせない。
女は無意識に腿に、膝に力を入れて閉じようとするのも、まだ中に埋められた事がない無意識からくる反応で、初物を暴く事を冥く喜んでしまう。
ばたばたと跳ね暴れる腰を体で抑えつけ、その細い手首を纏めて片手に掴み、女の頭上に圧しつける。
「や...ぁっ!止めて!こんなっ...!や...めろぉぉ...」
泣きわめく声を口づけで塞ぎ、暴れる舌を少し強く噛むと、くぐもった嗚咽を洩らしながら女は涙を流す。
それを尚、じゅくじゅくと唾きを纏わせて口内を犯す。
怯えからか舌が奥に縮まっているのを追い詰め、舐りながら吸い出すと、女の匂いが己の中へと香って堪らない。
飲むほどに甘く頭が痺れる。
「上の口も下の口もアンタ美味ぇな。いい匂いだ。堪らねぇ」
耳に囁くと嫌々と弱々しく首を振るが、もう然程暴れる力はないのか、強張ったままで涙を流すだけになった。
「いい子にしてな?恐くねぇように開いてやるからな。」
勝手な言い分だと理性の片隅で思った。
それでも。
この女を暴かねば渇きは癒えぬと男の本能が囁く。
乱れた晒布から覗き溢れるまろい乳房。
着物の裾は完全にはだけて、腰紐で辛うじて結ばれているだけ。
薄い床敷きに広がる髪。
まるで緊縛されているような有り様で扇情的で、まさに『目の毒』だ。
しゅるしゅると衣擦れる音を態と立てながら、男は己の着物を脱ぎ捨てた。
腰紐をそのまま女の両手首を手際よく縛り付ける。
白い手首に荒縄が掛かるのは官能を冥く揺さぶる。
黒い髪が乱れたままに床に広がり、白く丸い乳が荒い息に上下するのも、細くたおやかな腰のあたりに乱れた裾が広がるのも、柔らかな丸みを帯びた太股から、曲線を描きながら細く括れていく脹ら脛、足首、と、まさに【女】だ。
介抱されていたときは、熱でぼんやりとしていたからか、顔を認識していなかったが、大きく黒目がちな瞳は目尻が垂れていて、うっとりと見詰められるだけでも、男なら庇護欲と嗜虐欲を唆られる妖しい色香を感じるだろうし、小さく紅いぽってりとした唇に貪りつきたい衝動に駆られるだろう。
【上物】だ、それもかなりの上物。
それがこんな荒屋...人気の無い所に一人...
女の荒く上下する胸が、女の恐怖をまざまざと男に見せつけ、男の荒い息遣いが男の興奮を女へ恐怖として見せつけていく。
*
なんで、と何度も思った。
漸く逃げたのに、これは何の罰なのか...とも。
助けたりしなければ良かった。
助けるだなんて、なんて傲慢な事をしてしまったのだ。
あの夜、海岸に降りなければ。
あのまま、捨て置けば。
せっかく逃げてきたのに。
村からしたら高い金額かもしれないけれど、自身を...夜を...人生を...魂を売るなんて恐怖でしかなかった。
女衒の男は道中は飯を食わせてくれたり、着物を綺麗な物にと替えてくれたり、湯を使わせてくれたりと優しかったが、花街が見えた辺りから恐いものに変化した。
具合を確かめなければ、といいながら執拗に触られるのが恐かった。
昂る男性自身の赤黒いおぞましさに、それを喉奥へと突き込まれ、幾度も幾度も挿し入れられたのも恐かった。
『値を下げるわけにゃぁいかねぇからな』と男の重い体にのし掛かられ、股肉の間を肉の棒で擦られるのも、白濁を腹に掛けられるのも恐かった。
恐いまま花街の門をくぐれば、更に恐いものが待っていた。
首筋まで塗られる白粉も唇に塗られる紅も、重い花簪や櫛も、飯や寝台すらも何もかもが借財になるという。
己には何もないどころか身を切っても切っても増えることがない恐怖。
唄や三味線の稽古も、舞の稽古も習字や茶と詰め込むように習わされ、その成果を出さねば折檻されるのも。
閨の為の手練手管の練習と言われて、女将の見ている前で、下男だという物無しの愛撫を受けるのも、その男にやれと言われて愛撫を返すのも...何もかもが恐怖でしかなく。
生きることが恐怖でしかない日々を過ごしながら、2年も経たぬ日々を戦々恐々と怯えて過ごしながら。
あの夜女将の部屋に呼ばれたのだ。朧にしか思い出せないが、語られたのは【初物としてだとか...花魁候補だとか...高値が付いた】と言われて何故喜べるのだ。
恐くて恐くて堪らなくて、『高価なおべべまで贈られて白柳は店の宝になる娘だよ』と金糸銀糸に彩られた着物を畳んでいるその背中から...女将の背中から、机の上の文鎮を女将の頭に思いきり降り下ろし、逃げたのだ。
稽古にいく振りをして門をでた。捕まれば只では済まない。もう、後戻りはできないのだ。
だから
これは恐怖から逃げた事への罰なのかもしれない。
肌を撫で回され流れるままに...逆らうことを止めれば...もしかしたら少しでも贖罪になるのだろうか。
ならば、このまま組敷かれたままでいるしかないのかもしれない。
*
荒い息遣いと這い回る舌や、撫で回す手が女の体にぞわぞわとした何かを生み始め、蜜壺を啜られ、尻を持ち上げられながら撫で回される度にぞわりぞわり...とその何かは下腹の中をきゅっとさせる。
きゅっとそこが締まる度に全身に堪らない震えが走る。
先の痺れ高まる感覚とは違う。もっと深い何かが腹の中に渦巻いている。
「あっあっあっあっ...!」
首筋にがぶりと噛みつかれ、乳首を軽く捻られ擦られると出したくもない甘い声が漏れる。
「ああああああっ!んあっんあっあっあっ...ああーーーーっ!」
断続的に蜜壺を指が抜き挿ししながら、中の肉壁を撫で回されると声も腰も勝手に止まらなくなる。
「そろそろいいな...」
男の低い声が霞がかかったような茫とした思考の止まった頭に届いた。
「え...?」
男は女の頬に熱く太い何かをぴとり、と圧し当ててきた。
「ひぃっ...!」
女衒よりも長く太いそれが、男の股間から立ち昇っているのも、火照る己の体よりもその芯棒の方が熱い事も恐い。
「これで気持ちよくしてやるからな。介抱してくれた礼だ」
両脚を限界まで拡げられる。
太腿を抑えつけられ、女の真ん中をぬらぬらと濡れた棒を擦り付けながら、男の腰が揺れる。尖端を擦り付けてくる。ぐっと男の腰が強張る。
ぬぷ...と濡れた音がした。
ずっ!と男の腰が沈んだ。
その瞬間
「や、やめて...やだやだやだやだや...あ゛っい痛いッやめてやめて...壊れるッ壊れちゃう!
痛い痛い痛いッやぁぁぁっ!やだぁーぁぁあぁあ...っ!」
女の体を熱い杭が割り入った。
避ける、と女は本能から恐怖した。
壊される、と恐怖した。
痛みからか、男の抽送が激しいからか、女の体が床敷から逃げるようにずれて行く。
男の大きな手が女の小さな肩を掴んでガツガツと腰を振る。
体中の空気が短い喘ぎ声となって絞り出されるようだ。
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