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第一章 伯爵の策略と子爵の苦悩
4話 お待たせ…?
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うんうん。
これっぽいな。
弟が少し見せてくれたモヤモヤのイメージはボクの雑な集中力だと出ないようだから自分の周りじゃなくて自分を真ん中にして大きく薄い丸を描くイメージで霊気を出してみたら意外とうまくいった。
心臓の鼓動は落ち着いていて近くの木が風に揺れるのが分かる。
この範囲は広いようで感覚で言うと5km先まで何があるのかが知覚として感じ取れていた。
「大丈夫」
「続けて」
一呼吸おいてメイちゃんさんが攻撃をしてくるがどこに打ち込んでくるのか次の動きでボクはどこにいれば何をすれば良いのかも感覚で分かる。
だから。
ガギィン!
「防御は分かったけどまだ攻撃の仕方が…」
少し驚いた(ように見える)メイちゃんさんが攻撃を中断して居直す。
「そうですか、防ぐことができるのは大丈夫だと思われたから」
「避けるのは次の動作に移る時や隙を探す時」
「では攻撃は…」
「力量を測る時や倒せると感じた時、ですかね」
「じゃあ」と両手剣を構えるボク。
「今度はこっちの番ってことだね」
にぃ。口角が上がったように見えるメイちゃんさん。
「ふふ、そういうことです」
メイちゃんさんこわぁ~。
「いきますっね!」
横薙ぎ一線、縦振りだと棒の方が長いから有利。
でも横なら!
ブンっ!と音が鳴るとメイちゃんさんは上に跳んだ。
剣を振り切り上を見て軌道を変える。
「ふんっ」
突き上げても防がれるがそのまま自分も跳ねて追いかけるがメイちゃんさんに弾かれる。
空中で足場を作成、踏みつけて加速する。
「あたれっ」
ザッ
当たった!
まず一回!
体を捻ってそのまま追撃に蹴りを入れる。
ドォォン!
大きな音と共にメイちゃんさんは着地。
ボクはまだ空中にいた。
「素晴らしい」
着地に失敗したみたいで膝をついて小さくなっているメイちゃんさんから小さい声が聞こえた。
「霊気はどうでしょうか?マーク様」
膝をパンパンと叩いてから立ち上がるメイちゃんさんはうっとり?していた。
言われてはじめて自身の周りにある霊気を見る。
最初の粗い印象は無く澄んだ雰囲気になっていた。
浮いてるし。
「霊気を扱うには時間がかかるかもと覚悟していましたがマーク様は感覚の慣れが先に来るようですね」
「なんかよくわからないけど視野は広がったみたい」
「それは良かったです」
にぃ~。
派手に荒らしてしまった地面をメイちゃんさんは直していく。
「水の中も空中も闘い方は変わりませんのでそのまま続行いたしましょう」
「飛び方を教えてくれたりは?」
「もちろんそのつもりです」
「よろしくお願いします」
お辞儀をして構えるがその後ちゃんと水の中にも場所を移して霊気に慣れる特訓は続いた。
休憩といっても時間の制限がないので座学も受けながらついでに畑をその場で出してもらい耕したりした。
確かに休みに来るのは良いかもしれないと夏野菜を収穫しながら思った。
♢♢♢
メイちゃんさんの「そろそろ戻りましょう」を合図に黒いモヤが出てそこから出るよう促された。
そこを通ると弟が出迎えてくれる。
「どう?」
「いい感じ」
「そっかメイちゃん、この剣は使えそう?」
「はい、大丈夫ですがそれを持ち歩くのは大変ですのでこちらをお使いください」
早速手にしようと伸ばしたところでその両手剣は目の前から消えて銀色の輪っかを渡された。
「あ…」
「収納道具です、普段はこちらを腕につけてお持ちください」
空中を両手が掴み寂しそうに呟くとメイちゃんさんはボクの左腕に銀の輪っかをつけてくれた。
「ん、これってどうするの?」
「こちらに右手で触れると中に入っているものが分かりますので心の中で選べば右手に…」
「こうか!」
イィィン。
何もないところからさっき触れられなかった両手剣が出てくる。確かに重いが振り回せる。
ブンッ ブンッ
素振りをすると弟は驚ろき喜んでいた。
「すごいすごい!やっぱ兄ちゃんだ」
「えへへ、ありがとう」
「ちゃんと霊気も制御出来ておりますからマスターと良い勝負が出来ます」
ドヤァ
自信満々のメイちゃんさんがそこにはいた。
最初は淡々と教えてくれていたんだけど座学と畑の時はかなり性格が出て村の畑も手伝うといってくれてたっけ。
「これってどう収納するの?」
「それなら左手で触れればどうしたいかその腕輪が聞いてきてくれますのでそれをそのまま…」
「これ??」
スッと両手剣が消えて右手の重さも無くなった。
「これ便利だねぇ」
「ありがとうございます、マスターの試作品ですが残っておりましたので使わせていただきました」
「見たことあるなぁとは思ってたけど試作品だったかー」
「もっといいのあったんじゃない?」
「試作品でも収納容量は充分でございます」
「どれくらい入るの?」
「そうですね」と周りを見て
「この部屋三つ分でしょうか」
「充分だね」
「そう?山一つ入るのあったでしょ?」
「あれはマスター権限でご自身のみ有効の専用装備ですので」
「そんな制限設けたっけ??」
「はい、収納容量を維持する霊気が多く必要とおっしゃってました」
「…忘れてることが多そうだ」
こめかみをポリポリと指でかく弟をよそに両手剣を出したりしまったりを繰り返すボク。
自分の背より高い両手剣を持つ農民はいないからこれはいいね。
もしかして野菜の収穫もこれがあれば便利なんじゃ??
「ねぇ、これってー」
ピカァァァァァアア
部屋中が光る。
光の場所はメイちゃんさん。
「なんで光ってるの?」
「兄ちゃん、メイちゃん壊さないでよ」
「壊してないよ??」
「あっちこっちショートしてたよ、もう!自己治癒追いつかないって何したんだよー」
そいえば今のメイちゃんさんは白く輝いているがさっきまではなんか汚れてたな。
「ここまでの成長は嬉しくてこちらも破損を忘れておりました」
てへっ
全然わかんないけど「うっかりうっかり♪」が言葉のイメージとして出てくるメイちゃんさん。
どこからか出てくる焼き菓子と紅茶を弟と一緒に食べる。
グラ
グラグラ
その時、大きな揺れが襲った。
☆★ あとがき ★☆
修行を終えて帰ってきた兄ちゃんは念願?の両手剣を手に入れてご満悦。メイちゃんさんも直って良かった、これで何もなければ良いなって、ええぇ!!
待て、次号!
皆々様からの好評価が生きる糧となります!これから応援よろしくお願いしますm(_ _)m
これっぽいな。
弟が少し見せてくれたモヤモヤのイメージはボクの雑な集中力だと出ないようだから自分の周りじゃなくて自分を真ん中にして大きく薄い丸を描くイメージで霊気を出してみたら意外とうまくいった。
心臓の鼓動は落ち着いていて近くの木が風に揺れるのが分かる。
この範囲は広いようで感覚で言うと5km先まで何があるのかが知覚として感じ取れていた。
「大丈夫」
「続けて」
一呼吸おいてメイちゃんさんが攻撃をしてくるがどこに打ち込んでくるのか次の動きでボクはどこにいれば何をすれば良いのかも感覚で分かる。
だから。
ガギィン!
「防御は分かったけどまだ攻撃の仕方が…」
少し驚いた(ように見える)メイちゃんさんが攻撃を中断して居直す。
「そうですか、防ぐことができるのは大丈夫だと思われたから」
「避けるのは次の動作に移る時や隙を探す時」
「では攻撃は…」
「力量を測る時や倒せると感じた時、ですかね」
「じゃあ」と両手剣を構えるボク。
「今度はこっちの番ってことだね」
にぃ。口角が上がったように見えるメイちゃんさん。
「ふふ、そういうことです」
メイちゃんさんこわぁ~。
「いきますっね!」
横薙ぎ一線、縦振りだと棒の方が長いから有利。
でも横なら!
ブンっ!と音が鳴るとメイちゃんさんは上に跳んだ。
剣を振り切り上を見て軌道を変える。
「ふんっ」
突き上げても防がれるがそのまま自分も跳ねて追いかけるがメイちゃんさんに弾かれる。
空中で足場を作成、踏みつけて加速する。
「あたれっ」
ザッ
当たった!
まず一回!
体を捻ってそのまま追撃に蹴りを入れる。
ドォォン!
大きな音と共にメイちゃんさんは着地。
ボクはまだ空中にいた。
「素晴らしい」
着地に失敗したみたいで膝をついて小さくなっているメイちゃんさんから小さい声が聞こえた。
「霊気はどうでしょうか?マーク様」
膝をパンパンと叩いてから立ち上がるメイちゃんさんはうっとり?していた。
言われてはじめて自身の周りにある霊気を見る。
最初の粗い印象は無く澄んだ雰囲気になっていた。
浮いてるし。
「霊気を扱うには時間がかかるかもと覚悟していましたがマーク様は感覚の慣れが先に来るようですね」
「なんかよくわからないけど視野は広がったみたい」
「それは良かったです」
にぃ~。
派手に荒らしてしまった地面をメイちゃんさんは直していく。
「水の中も空中も闘い方は変わりませんのでそのまま続行いたしましょう」
「飛び方を教えてくれたりは?」
「もちろんそのつもりです」
「よろしくお願いします」
お辞儀をして構えるがその後ちゃんと水の中にも場所を移して霊気に慣れる特訓は続いた。
休憩といっても時間の制限がないので座学も受けながらついでに畑をその場で出してもらい耕したりした。
確かに休みに来るのは良いかもしれないと夏野菜を収穫しながら思った。
♢♢♢
メイちゃんさんの「そろそろ戻りましょう」を合図に黒いモヤが出てそこから出るよう促された。
そこを通ると弟が出迎えてくれる。
「どう?」
「いい感じ」
「そっかメイちゃん、この剣は使えそう?」
「はい、大丈夫ですがそれを持ち歩くのは大変ですのでこちらをお使いください」
早速手にしようと伸ばしたところでその両手剣は目の前から消えて銀色の輪っかを渡された。
「あ…」
「収納道具です、普段はこちらを腕につけてお持ちください」
空中を両手が掴み寂しそうに呟くとメイちゃんさんはボクの左腕に銀の輪っかをつけてくれた。
「ん、これってどうするの?」
「こちらに右手で触れると中に入っているものが分かりますので心の中で選べば右手に…」
「こうか!」
イィィン。
何もないところからさっき触れられなかった両手剣が出てくる。確かに重いが振り回せる。
ブンッ ブンッ
素振りをすると弟は驚ろき喜んでいた。
「すごいすごい!やっぱ兄ちゃんだ」
「えへへ、ありがとう」
「ちゃんと霊気も制御出来ておりますからマスターと良い勝負が出来ます」
ドヤァ
自信満々のメイちゃんさんがそこにはいた。
最初は淡々と教えてくれていたんだけど座学と畑の時はかなり性格が出て村の畑も手伝うといってくれてたっけ。
「これってどう収納するの?」
「それなら左手で触れればどうしたいかその腕輪が聞いてきてくれますのでそれをそのまま…」
「これ??」
スッと両手剣が消えて右手の重さも無くなった。
「これ便利だねぇ」
「ありがとうございます、マスターの試作品ですが残っておりましたので使わせていただきました」
「見たことあるなぁとは思ってたけど試作品だったかー」
「もっといいのあったんじゃない?」
「試作品でも収納容量は充分でございます」
「どれくらい入るの?」
「そうですね」と周りを見て
「この部屋三つ分でしょうか」
「充分だね」
「そう?山一つ入るのあったでしょ?」
「あれはマスター権限でご自身のみ有効の専用装備ですので」
「そんな制限設けたっけ??」
「はい、収納容量を維持する霊気が多く必要とおっしゃってました」
「…忘れてることが多そうだ」
こめかみをポリポリと指でかく弟をよそに両手剣を出したりしまったりを繰り返すボク。
自分の背より高い両手剣を持つ農民はいないからこれはいいね。
もしかして野菜の収穫もこれがあれば便利なんじゃ??
「ねぇ、これってー」
ピカァァァァァアア
部屋中が光る。
光の場所はメイちゃんさん。
「なんで光ってるの?」
「兄ちゃん、メイちゃん壊さないでよ」
「壊してないよ??」
「あっちこっちショートしてたよ、もう!自己治癒追いつかないって何したんだよー」
そいえば今のメイちゃんさんは白く輝いているがさっきまではなんか汚れてたな。
「ここまでの成長は嬉しくてこちらも破損を忘れておりました」
てへっ
全然わかんないけど「うっかりうっかり♪」が言葉のイメージとして出てくるメイちゃんさん。
どこからか出てくる焼き菓子と紅茶を弟と一緒に食べる。
グラ
グラグラ
その時、大きな揺れが襲った。
☆★ あとがき ★☆
修行を終えて帰ってきた兄ちゃんは念願?の両手剣を手に入れてご満悦。メイちゃんさんも直って良かった、これで何もなければ良いなって、ええぇ!!
待て、次号!
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