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一章「GAME START」
17話「選択」
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「さて、これが自分達の敵か…」
機械音声が、ミッションの開始を告げようとした時、転送された部屋に設置されたモニターの電源が入り、画面に何かが表示される。
機械音声を聞いた事で、DefenderとKillerはすぐにモニターが設置されていた場所へと向かい、彼らに続いてヴィラスとペアスティーネ、少し遅れてハデスも姿を現した。
「……全員いるな…」
「問題ない…」
「Watch your mouth.(口を慎め)」
「………チッ…」
「まぁ、仕方ないね」
ハデスは変わらず、自分に対する冷たい態度を変える事はなかった。
目を合わせて話そうとしただけで、口を慎めと言われるぐらいだ。
人工知能搭載型のロボットにこうも一方的に嫌われるのはあまり慣れない。
ヴィラスは壁にもたれかかったまま、腕を組んで、常にイライラとしている様な表情を見せている。
ハデスの時と似て、目を合わせようとしてら睨まれた挙句舌打ちされたぐらいだ。
余っ程、先程の事が気に食わなかったのか腹立たしかったのだろう。
謝る気は毛頭ないが。
そして、ヴィラスの相方の様な奴であるペアスティーネは、ヴィラス程では無いがムッとした表情を見せており、どこかいけ好かない様な顔をしていた。
しかし目の前で同じ種族の人間が意図も簡単にねじ伏せられてしまった光景を彼女は目の当たりにしている。
Defenderに敵意が向いてしまうのも、当たり前の事だった。
しかし、今は自分に向けられた敵意よりも大切な事がある。
今にも電源が入りそうなモニターは、案の定光が灯り、画面に何かが映し出される。
一体、何が映し出されるのだろうか。
勝手ながらも、Defenderは目の前のモニターに何が出てくるのかと軽く考察する。
恐らくは、マップの詳細や敵の情報等だろう。謎の声も、モンスターやロボットとこの先戦う事になると言っていたからだ。
逆に、現状の事を考えてこのモニターにそれ以外の事が映し出されるとはあまり考えにくい。
仮にも自分達は、現在拘束されている身であり死のゲーム等と言う戦いへの参加を強制されている。
向こう側もある程度は敵の情報は掲示するだろう。
もし、向こうが一切の慈悲もなく、自分達に死を望む生粋の狂気的人物なら話は変わってくるのだが…。
「やはりか…」
しかし、向こう側にもまだ慈悲はあった様であった。
Defenderの考察通りモニターが点灯すると、そのモニターには案の定、敵らしき何かの情報が表示される。
◇◇
=================
これより敵性存在が蔓延るフィールドに転送されます。そこでお前らには敵を倒してもらいます
<出てくる敵一覧>
邪悪なウルフ
治安維持用のロボット
理性のない奴
特徴
これと言って、ただのモブ敵
弱点
まぁ雑魚だし必要ねぇだろ
=================
◇◇
「……掃討作戦か」
「まぁ残党狩りみたいなもんか。Defender、これは余裕だな」
Killerの言葉に、Defenderは素直に首を縦に振る。
Defenderも、流石にこれは楽な仕事だと感じてしまった。
出てくる敵は野犬に治安維持用と言う戦闘系では最弱レベルのロボットにヤク中と言う組み合わせだ。
あまりの貧弱な敵の面々に、Defenderは周囲にバレない程度で、軽く嘲笑う。
この程度なら、と僅かに彼は慢心を見せる。
「間もなく転送されます。最終確認を行ってください」
「Killer、一応言うぞ。死ぬなよ…」
「言われなくとも、もう大怪我したくないんでね」
しかし、その僅かな慢心であっても。余裕なんてほざいて死ぬ事なんてよくある事だ。
現に、今までもそうやって余裕だとボヤいていた奴が肉塊になって死してしまった事もあったぐらいだ。
やはり、軽度ではあっても慢心は命取りとなる。
Defenderは我に返る様にして、すぐに先程僅かながらに慢心して、嘲笑った自分を反省し、Killerにも慢心しない様にと遠回しに伝える。
しかし、自分よりも優秀で秀才な彼女は最初から慢心等してはいなかった。
言われなくとも、と彼女は一言で簡単に片付けてしまう。
やはり、こんな事を言って慢心を解かせる必要もなかったか…。
Defenderはそう心の中で感じてしまった。
「なら、大丈夫だな」
「他の奴らも、恐らくな」
そう言って、Killerは敢えて他の三人には言っていない様な言い方で呟く。
顔だけ後ろを向いて、他三人を軽く見つめるも、その言葉はDefenderに届いている様であった。
ニヤリと笑って呟き、更に後ろを向いて他の三人と目を合わせた為、彼女の言葉に反応する者もいた。
「お前達に心配される筋合い等……!」
「I'll use it as a shield. Be thankful.(盾代わりに使ってやる。有難く思え)」
相変わらず、ヴィラスは目を合わせようとすると逸らしてしまうし、無視する姿勢を変える気はなさそうであった。
しかし、Killer達にはどうでも良い事だ。
そうやって今は孤高を気取っておけば良い話だ。
何れ気付くだろう。
◇◇
「転送を開始します…」
機械音声が、ミッションの開始を告げようとした時、転送された部屋に設置されたモニターの電源が入り、画面に何かが表示される。
機械音声を聞いた事で、DefenderとKillerはすぐにモニターが設置されていた場所へと向かい、彼らに続いてヴィラスとペアスティーネ、少し遅れてハデスも姿を現した。
「……全員いるな…」
「問題ない…」
「Watch your mouth.(口を慎め)」
「………チッ…」
「まぁ、仕方ないね」
ハデスは変わらず、自分に対する冷たい態度を変える事はなかった。
目を合わせて話そうとしただけで、口を慎めと言われるぐらいだ。
人工知能搭載型のロボットにこうも一方的に嫌われるのはあまり慣れない。
ヴィラスは壁にもたれかかったまま、腕を組んで、常にイライラとしている様な表情を見せている。
ハデスの時と似て、目を合わせようとしてら睨まれた挙句舌打ちされたぐらいだ。
余っ程、先程の事が気に食わなかったのか腹立たしかったのだろう。
謝る気は毛頭ないが。
そして、ヴィラスの相方の様な奴であるペアスティーネは、ヴィラス程では無いがムッとした表情を見せており、どこかいけ好かない様な顔をしていた。
しかし目の前で同じ種族の人間が意図も簡単にねじ伏せられてしまった光景を彼女は目の当たりにしている。
Defenderに敵意が向いてしまうのも、当たり前の事だった。
しかし、今は自分に向けられた敵意よりも大切な事がある。
今にも電源が入りそうなモニターは、案の定光が灯り、画面に何かが映し出される。
一体、何が映し出されるのだろうか。
勝手ながらも、Defenderは目の前のモニターに何が出てくるのかと軽く考察する。
恐らくは、マップの詳細や敵の情報等だろう。謎の声も、モンスターやロボットとこの先戦う事になると言っていたからだ。
逆に、現状の事を考えてこのモニターにそれ以外の事が映し出されるとはあまり考えにくい。
仮にも自分達は、現在拘束されている身であり死のゲーム等と言う戦いへの参加を強制されている。
向こう側もある程度は敵の情報は掲示するだろう。
もし、向こうが一切の慈悲もなく、自分達に死を望む生粋の狂気的人物なら話は変わってくるのだが…。
「やはりか…」
しかし、向こう側にもまだ慈悲はあった様であった。
Defenderの考察通りモニターが点灯すると、そのモニターには案の定、敵らしき何かの情報が表示される。
◇◇
=================
これより敵性存在が蔓延るフィールドに転送されます。そこでお前らには敵を倒してもらいます
<出てくる敵一覧>
邪悪なウルフ
治安維持用のロボット
理性のない奴
特徴
これと言って、ただのモブ敵
弱点
まぁ雑魚だし必要ねぇだろ
=================
◇◇
「……掃討作戦か」
「まぁ残党狩りみたいなもんか。Defender、これは余裕だな」
Killerの言葉に、Defenderは素直に首を縦に振る。
Defenderも、流石にこれは楽な仕事だと感じてしまった。
出てくる敵は野犬に治安維持用と言う戦闘系では最弱レベルのロボットにヤク中と言う組み合わせだ。
あまりの貧弱な敵の面々に、Defenderは周囲にバレない程度で、軽く嘲笑う。
この程度なら、と僅かに彼は慢心を見せる。
「間もなく転送されます。最終確認を行ってください」
「Killer、一応言うぞ。死ぬなよ…」
「言われなくとも、もう大怪我したくないんでね」
しかし、その僅かな慢心であっても。余裕なんてほざいて死ぬ事なんてよくある事だ。
現に、今までもそうやって余裕だとボヤいていた奴が肉塊になって死してしまった事もあったぐらいだ。
やはり、軽度ではあっても慢心は命取りとなる。
Defenderは我に返る様にして、すぐに先程僅かながらに慢心して、嘲笑った自分を反省し、Killerにも慢心しない様にと遠回しに伝える。
しかし、自分よりも優秀で秀才な彼女は最初から慢心等してはいなかった。
言われなくとも、と彼女は一言で簡単に片付けてしまう。
やはり、こんな事を言って慢心を解かせる必要もなかったか…。
Defenderはそう心の中で感じてしまった。
「なら、大丈夫だな」
「他の奴らも、恐らくな」
そう言って、Killerは敢えて他の三人には言っていない様な言い方で呟く。
顔だけ後ろを向いて、他三人を軽く見つめるも、その言葉はDefenderに届いている様であった。
ニヤリと笑って呟き、更に後ろを向いて他の三人と目を合わせた為、彼女の言葉に反応する者もいた。
「お前達に心配される筋合い等……!」
「I'll use it as a shield. Be thankful.(盾代わりに使ってやる。有難く思え)」
相変わらず、ヴィラスは目を合わせようとすると逸らしてしまうし、無視する姿勢を変える気はなさそうであった。
しかし、Killer達にはどうでも良い事だ。
そうやって今は孤高を気取っておけば良い話だ。
何れ気付くだろう。
◇◇
「転送を開始します…」
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