The Dead Crisis‐デスゲームに巻き込まれたけど生き残る!

Bastion

文字の大きさ
上 下
21 / 42
バックストーリー集

バックストーリー No.14「ヴィラス・ハウンデロッド」

しおりを挟む
 NO.14 並行世界線 0042

 世の中には、人と言う種族だけが生きている訳ではない。

 人族の他にも、亜人族や魔族と言った違う系統の道を辿った人種も存在している。
 ヴィラス・ハウンデロッドは、常に人族との対立を続ける魔族側に属する人間だった。


 生まれ、育ち共に魔族が収める『魔界:アルカディア』に身を置いていたヴィラスは魔族の1人として、生き続けていた。


 ヴィラスは魔界を守る為に、一兵としての力を持っていた。
 物質そのモノの重力の力を変貌させる力を保有していた彼は、この『重力魔法』を使いこなす魔術師であった。

 重力をキューブ状にし、相手にぶつけて重力変動を起こしたり、キューブを用いて敵を拘束すると言った変則的且つ隙のない戦い方でヴィラスは成長を続けていった。


 ―――魔族の未来の為に、この身をお捧げ致します…。


 そのオールバック風の逆毛に、僅かに青白い特有の肌色。
 そして正体を明かさない為の白色に染められた仮面。

 紺色の貴公子風のスーツを着用し、重力体を操る姿はさながら、目を輝かせてしまいながら見つめてしまう騎士の様であった。


 そして、ヴィラスは人族との対立と言う戦争の中に、仲間達と共に立っていた。

 人族はいつの時代も魔族とは敵対を続けている。
 理由は不明ではあるが、過去の時から対立していたから。

 理由はないが、対立していたから。過去の時から対立を繰り返していたから、争いを止める事はなく人族と魔族の間には未だに蟠りや偏見が残り、それぞれが対立していくのだった。


 ◇◇


 小さな小競り合い、陣地への僅かな侵入。

 たったそれだけで人は無惨にも魔族を殺した。

 裁きの時は来たれり、人の住む世界に足を踏み入れた。

 その瞬間。その魔族は人間に取り囲まれて無惨に殺された。
 飛ぶ為の羽を無理矢理にもがれ、手と足に釘を打ち付けた挙句晒し上げ、神罰だの正義執行だの好き放題にほざいている。


 ヴィラスは、どこからともなく湧き上がってくる強い怒りを顕にして目を血走らせた。

 罵倒、暴言、差別そして偏見。何だこれは、何故そこまでするんだ。


 ――何故、そうまでして互いに憎み合う!?


 ヴィラスは遂に行動を開始しようとする。親友の魔族の女と共に、罪なき魔族を殺した人間に対しての報復を。

 殺された魔族は、殺した人間に何をしたと言うんだ。


 ヴィラスは目の前の事しか考えられなくなった。
 同胞を奪われ、この先も同じ様にして同胞を失い、対立していく事に最大限の嫌気を覚えた。

 ヴィラスの感情の全てが、怒りに満ちた。
 重力キューブを数十個同時に展開し、敵を人間の全てを消し去ろうとした。

 人間等、もう信用など出来るものか。全て燃やし尽くして、消し尽くしてしまえば良い。

 邪魔だ邪魔だ邪魔だ…!


 全て消し去る、消し去ってやる…!


 しかし、消し去ろうとした時だった…。

 あの血の匂いがする霧が現れた。

 ヴィラスの報復劇が、後一歩の所で果たす事が出来そうになった時だった。

 まるで縛り付けて、動けなくなる様にして霧はヴィラスと隣の相棒を捕獲する。


 そして、霧が晴れた時。ヴィラスの立っていた世界には『人間』がいた。

 この際、誰だろうとどうでも良い。


 ――憎き人間、全て根絶やしにしてやる!


 復讐鬼の暴走は絶対に止まる事はない。一体、いつの時からこうなってしまったのだろうか…。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】

一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。 追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。 無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。 そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード! 異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。 【諸注意】 以前投稿した同名の短編の連載版になります。 連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。 なんでも大丈夫な方向けです。 小説の形をしていないので、読む人を選びます。 以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。 disりに見えてしまう表現があります。 以上の点から気分を害されても責任は負えません。 閲覧は自己責任でお願いします。 小説家になろう、pixivでも投稿しています。

半分異世界

月野槐樹
ファンタジー
関東圏で学生が行方不明になる事件が次々にしていた。それは異世界召還によるものだった。 ネットでも「神隠しか」「異世界召還か」と噂が飛び交うのを見て、異世界に思いを馳せる少年、圭。 いつか異世界に行った時の為にとせっせと準備をして「異世界ガイドノート」なるものまで作成していた圭。従兄弟の瑛太はそんな圭の様子をちょっと心配しながらも充実した学生生活を送っていた。 そんなある日、ついに異世界の扉が彼らの前に開かれた。 「異世界ガイドノート」と一緒に旅する異世界

~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神
ファンタジー
18歳の誕生日…先月死んだ、おじぃちゃんから1冊の本が届いた。 小さい頃の思い出で1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで後は真っ白だった本だと思い出す。 本の表紙にはドラゴンが描かれており、指輪が付属されていた。 お遊び気分で指輪をはめて本を開くと、そこには2ページ目に短い文章が書き加えられていた。 その文章とは『さぁ、あなたの物語の始まりです。』と…。 次の瞬間、僕は気を失い、異世界冒険の旅が始まったのだった…。 本作品は『カクヨム』で掲載している物を『アルファポリス』用に少しだけ修正した物となります。

俺のスキルが無だった件

しょうわな人
ファンタジー
 会社から帰宅中に若者に親父狩りされていた俺、神城闘史(かみしろとうじ)。  攻撃してきたのを捌いて、逃れようとしていた時に眩しい光に包まれた。  気がつけば、見知らぬ部屋にいた俺と俺を狩ろうとしていた若者五人。  偉そうな爺さんにステータスオープンと言えと言われて素直に従った。  若者五人はどうやら爺さんを満足させたらしい。が、俺のステータスは爺さんからすればゴミカスと同じだったようだ。  いきなり金貨二枚を持たされて放り出された俺。しかし、スキルの真価を知り人助け(何でも屋)をしながら異世界で生活する事になった。 【お知らせ】 カクヨムで掲載、完結済の当作品を、微修正してこちらで再掲載させて貰います。よろしくお願いします。

処理中です...