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バックストーリー集

バックストーリー No.13「Killer」

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 Defenderと共に、この困窮し、混沌が振り撒く世界を彼女は、Killerと名乗る女性は渡り歩いていた。

『Killer』
 国籍:不明
 身長:168cm
 体重:??
 血液型:AB型

 風に靡き、美し過ぎて眩しく見える程の銀色のロングヘアに、Defender同様の黒色で男物のジャケットを身に纏うKillerは愛用のスコープ付きスナイパーライフルを片手にDefenderと共に暗殺者としての日々を過ごしていた。


 百発百中、狙われれば最後彼女の碧眼の瞳から逃げる事は決して出来ない。

 彼女がスコープを覗き、引き金を引けば放たれた弾丸は確実に相手の急所を貫く。

 脳、眉間、心臓、腹部。相手を即死させ、苦しませて殺す。
 鷹の目の如く尋常ではない程の力を持つ彼女は、Defenderとのタッグで暗殺者界隈で派遣を握る圧倒的な力を保有していた。


 ―――私の目から逃れる事は絶対に出来ない…!


 Defenderと過ごした時間は、今までの人生の中で誰よりも長い。

 親の顔も、自分に与えられた名前も知らないKillerはDefenderと知り合った時からずっと共に過ごしてきた。

 暗殺者としての実力を積む時も、殺しの任務を遂行する時も、覚えたての知識で一夜を共にした時も。


 無論、二人の絆は誰であっても引き裂く事は出来ない。
 この誰かも知らない血に塗れ、他者の屍の山の上に立つ汚れた二人のクソッタレの様な絆は何処へ行こうとも切れる事はない。

 それはDefenderと共に、あの血の匂いが漂う霧に巻き込まれた時も同様だった。

 KillerはDefenderと共にあの霧に巻き込まれたとしても、動じない。

 Defenderと共に行くのなら、たとえ己の進む道にどれ程の困難があろうとも止まる気にはなれなかった…。
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