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バックストーリー集
バックストーリー No.12「Defender」
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NO.12 並行世界線0051
人類は困窮の時を過ごしていた。
度重なる温暖化やオゾン層破壊等による環境汚染、人口の増加による食料問題、終わらない戦争と紛争が続く世界の中に、暗殺者であり反逆者である男『Defender』の姿はあった。
『Defender』
国籍:日本
身長:177cm
体重:59kg
血液型:O型
これぐらいしか分かる情報は存在しない。目元は赤色が不気味に光るバイザー、口元は対弾性の黒いマスクによって隠されている。
決して明かされない素顔に、身を覆う黒いジャケット。
そして黒色の髪に赤のメッシュを入れた髪。
そして背中に背負う、身の丈程の棺桶型武装コンテナ。
それがDefenderの装備であった。
素顔を晒さないこの男が持つ棺桶型の武装コンテナ。
Defenderは、この武器を用いて大量の敵を葬り続けていた。
内部に搭載されたガトリング式の機関砲に、大量のミサイルコンテナ、更には試作型のレーザー兵器まで備えたこの武器はDefenderのみが使いこなせる専用の武器であった。
◇◇
しかし、それ程の力。
単独でも戦局を斬り裂く程の武器、そして常人を軽く上回る身体能力がありながらも世界の動乱を変える事は出来なかった。
所詮は、小さな一兵の暗殺者に過ぎない。
肥えた富裕層は、世界が困窮しているにも関わらず贅沢に暮らして、貧困層は明日生きられるか分からない。
そして、そんな富裕層達は贅沢出来る生活を少しでも先まで送る為に自分達の様な暗殺者を雇うのだ。
他の富裕層の奴を貶めろだの、事業から撤退しろだの、それは好き放題も良い所だった。
自分達からすれば、吐き気を催す程の事だ。
仕事を頼む奴らなんてたかが知れてる。いつも酒を片手に女を囲って贅沢に過ごす。
自分達の様な奴らに仕事を頼む時も常に女の暗殺者の妖艶な肉体を眺めている。
視姦して何が楽しいのだろうか、馬鹿の様な奴の考えは理解出来ないものだとDefenderはいつも思っていた。
―――所詮、その程度なのか…。
そして今日の日もまた、Defenderは相棒格の人物と共にまた何十人も名前も知らないターゲットを殺した。
ターゲットに、棺桶内部に搭載された機関砲を展開し何百発もの鉛玉を撃ち込み、原型がないぐらいにまでぐちゃぐちゃにした。
いつも通りの変わらない日常だ。誰かを殺して、その報酬を糧として暮らす。
何も変わらない、世界は変わらずのまま。
その先に存在する世界が何なのかは分からないが、Defenderは何も変わらない殺しの日々を送るだけだ。
◇◆◇◆◇◆
だが、世界が変わらなかったが彼らの日々には変化が起こった。
何者かと対峙した時、Defenderは相棒と共に赤い霧を見た。
素顔を見せる事のない謎の存在と対峙した時…。
彼らはその霧に囲まれていた。棺桶内部の機関砲の銃口を向けても、謎の人物は怯む様な様子を見せない。
逆に、不気味で骸骨が笑うかの様なカタカタとした笑い声をこちら側に聞かせてくる。
Defenderは、そんな奴に対して臆する事はない。
しかし、あの霧が現れるまでは…。
あの霧だ、一瞬だけ身が震える。血の匂いは嗅ぎ慣れたがこの匂いには変に慣れない。
ダメだ、呑み込まれる。逃げて霧から振り切らなければ。
だが逃げられなかった。人気の無い世界の中でDefender達はあの霧に包まれていく。
しかしそれは、ただ包まれていくのではなく閉じ込める様にして、縛り付けるかの様にして、霧はDefender達を呑み込んでいった…。
人類は困窮の時を過ごしていた。
度重なる温暖化やオゾン層破壊等による環境汚染、人口の増加による食料問題、終わらない戦争と紛争が続く世界の中に、暗殺者であり反逆者である男『Defender』の姿はあった。
『Defender』
国籍:日本
身長:177cm
体重:59kg
血液型:O型
これぐらいしか分かる情報は存在しない。目元は赤色が不気味に光るバイザー、口元は対弾性の黒いマスクによって隠されている。
決して明かされない素顔に、身を覆う黒いジャケット。
そして黒色の髪に赤のメッシュを入れた髪。
そして背中に背負う、身の丈程の棺桶型武装コンテナ。
それがDefenderの装備であった。
素顔を晒さないこの男が持つ棺桶型の武装コンテナ。
Defenderは、この武器を用いて大量の敵を葬り続けていた。
内部に搭載されたガトリング式の機関砲に、大量のミサイルコンテナ、更には試作型のレーザー兵器まで備えたこの武器はDefenderのみが使いこなせる専用の武器であった。
◇◇
しかし、それ程の力。
単独でも戦局を斬り裂く程の武器、そして常人を軽く上回る身体能力がありながらも世界の動乱を変える事は出来なかった。
所詮は、小さな一兵の暗殺者に過ぎない。
肥えた富裕層は、世界が困窮しているにも関わらず贅沢に暮らして、貧困層は明日生きられるか分からない。
そして、そんな富裕層達は贅沢出来る生活を少しでも先まで送る為に自分達の様な暗殺者を雇うのだ。
他の富裕層の奴を貶めろだの、事業から撤退しろだの、それは好き放題も良い所だった。
自分達からすれば、吐き気を催す程の事だ。
仕事を頼む奴らなんてたかが知れてる。いつも酒を片手に女を囲って贅沢に過ごす。
自分達の様な奴らに仕事を頼む時も常に女の暗殺者の妖艶な肉体を眺めている。
視姦して何が楽しいのだろうか、馬鹿の様な奴の考えは理解出来ないものだとDefenderはいつも思っていた。
―――所詮、その程度なのか…。
そして今日の日もまた、Defenderは相棒格の人物と共にまた何十人も名前も知らないターゲットを殺した。
ターゲットに、棺桶内部に搭載された機関砲を展開し何百発もの鉛玉を撃ち込み、原型がないぐらいにまでぐちゃぐちゃにした。
いつも通りの変わらない日常だ。誰かを殺して、その報酬を糧として暮らす。
何も変わらない、世界は変わらずのまま。
その先に存在する世界が何なのかは分からないが、Defenderは何も変わらない殺しの日々を送るだけだ。
◇◆◇◆◇◆
だが、世界が変わらなかったが彼らの日々には変化が起こった。
何者かと対峙した時、Defenderは相棒と共に赤い霧を見た。
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彼らはその霧に囲まれていた。棺桶内部の機関砲の銃口を向けても、謎の人物は怯む様な様子を見せない。
逆に、不気味で骸骨が笑うかの様なカタカタとした笑い声をこちら側に聞かせてくる。
Defenderは、そんな奴に対して臆する事はない。
しかし、あの霧が現れるまでは…。
あの霧だ、一瞬だけ身が震える。血の匂いは嗅ぎ慣れたがこの匂いには変に慣れない。
ダメだ、呑み込まれる。逃げて霧から振り切らなければ。
だが逃げられなかった。人気の無い世界の中でDefender達はあの霧に包まれていく。
しかしそれは、ただ包まれていくのではなく閉じ込める様にして、縛り付けるかの様にして、霧はDefender達を呑み込んでいった…。
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