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バックストーリー集
バックストーリー No.1「レイヤ」
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NO.1 並行世界線0023
本名不詳、出生地不明、個人情報全削除。与えられたのは「レイヤ」と言う名前だけ。
それが、彼の持つ唯一のモノだった。
レイヤは単純な思考のみを持つ純粋たる破壊兵器であった。
物心ついた時から、荒んだ戦場へと駆り出され幼いながら少年兵として生と死の境を何度も行き来する様な日々を送っていた。
自分が何者かは知らない、自分が何故この延々と続く回廊の様な戦場に立っているのかは分からない。
ただ分かる事は、自分はただ只管に終わらない戦いを前にしながら目の前の敵を躊躇いなく殺し続け、生きる為に飯を食い、容姿が中性的で良かったが為に身を売って金を稼いでいた事ぐらいだ。
そして死の螺旋は終わりを見せる事なく、この世界では決して戦争が終結する事はなかった。
どれだけ殺しても、どれだけ仲間が塵に帰していこうとも傭兵達の戦いが終わる事は決してなかった。
終局は決して見えない。
そして自分が誰と戦っているのかすらレイヤは知らなかった。
与えられた任務は、ただ殺せ。
自分に銃口を向けてくる奴全員を殺し尽くせと言う命令だけだった。
相手がどんな奴らなのか何て考えた事がない。
もし仮に敵に家族が待っていようとも知らない事だ。
―――こっちだって生きるのに必死なんだ
明日は我が身かもしれない。この体が明日五体満足で残っているなんて誰が決めた?
生き残る為には、死せず戦い続けて他者の死を糧とし、自らが作り上げたその屍の山の上に立ち続けるしかなかったのだ。
◇◇
そして、少年の傭兵としての活動が十年近く続いた。
8か9歳、もしかしたらそれより前に傭兵になっていたかもしれない。
レイヤは、傭兵として生き残っていた。
本来傭兵なんて一年か二年もすれば、何処かで呆気なく死ぬのが普通と聞かされていたが、この十年近い時間の中。
レイヤは生きる為に出来る事を全てやって生き残って来た。
その為に、腕を足を機械化し片目すらも高性能義眼に入れ替えた。
勿論、自らの体を捨てて後悔などしていない。生き残れれば儲けものだ。
そして、生きていれば良い事もそれなりにあるものだと実感した。
体を機械化したが、生殖機能等は残していた為に任務に精を出した日の夜は同じ部隊の女を抱く事は出来ていた。
しかし、昨日抱いていた女が次の日になれば、鉛玉に当たって死んでいる。
何て事も普通にあったぐらいだ。
だが戦場なんてこんなモノだ。弱い奴から死んでいく。
死んだ奴に対して出来る事なんて、弔って墓に埋めてやる事ぐらいだ。
―――何も分かっちゃいねぇ。アイツ以外は…
そしてレイヤはバディとも言える様な程に親しい仲であり、唯一無二の信頼関係で結ばれた同じ部隊の仲間である「椿」と共に、数多の戦場を巡っていた。
椿、レイヤにとって1番信頼出来る女性。優しくて強くて、甘えたい時は彼女に甘えられる。
時には背中を預け合い、共に戦場を駆けていた。
今日もまた、彼らは戦場を駆ける。
しかし僅かな瞬間、刹那すら軽い程のほんの短い時間。
闇と何かが2人を何処かへと招いた。
躍動感溢れ、高鳴る心臓の鼓動。血の匂いと不衛生な霧の先に2人の影が見えた。
しかし止めようとする者はいない。誰一人として、霧と闇の向こうに消えた2人の行方を知る者はいなくなった。
その日以降、傭兵としてのレイヤと椿の名は消される事となったらしい。
本名不詳、出生地不明、個人情報全削除。与えられたのは「レイヤ」と言う名前だけ。
それが、彼の持つ唯一のモノだった。
レイヤは単純な思考のみを持つ純粋たる破壊兵器であった。
物心ついた時から、荒んだ戦場へと駆り出され幼いながら少年兵として生と死の境を何度も行き来する様な日々を送っていた。
自分が何者かは知らない、自分が何故この延々と続く回廊の様な戦場に立っているのかは分からない。
ただ分かる事は、自分はただ只管に終わらない戦いを前にしながら目の前の敵を躊躇いなく殺し続け、生きる為に飯を食い、容姿が中性的で良かったが為に身を売って金を稼いでいた事ぐらいだ。
そして死の螺旋は終わりを見せる事なく、この世界では決して戦争が終結する事はなかった。
どれだけ殺しても、どれだけ仲間が塵に帰していこうとも傭兵達の戦いが終わる事は決してなかった。
終局は決して見えない。
そして自分が誰と戦っているのかすらレイヤは知らなかった。
与えられた任務は、ただ殺せ。
自分に銃口を向けてくる奴全員を殺し尽くせと言う命令だけだった。
相手がどんな奴らなのか何て考えた事がない。
もし仮に敵に家族が待っていようとも知らない事だ。
―――こっちだって生きるのに必死なんだ
明日は我が身かもしれない。この体が明日五体満足で残っているなんて誰が決めた?
生き残る為には、死せず戦い続けて他者の死を糧とし、自らが作り上げたその屍の山の上に立ち続けるしかなかったのだ。
◇◇
そして、少年の傭兵としての活動が十年近く続いた。
8か9歳、もしかしたらそれより前に傭兵になっていたかもしれない。
レイヤは、傭兵として生き残っていた。
本来傭兵なんて一年か二年もすれば、何処かで呆気なく死ぬのが普通と聞かされていたが、この十年近い時間の中。
レイヤは生きる為に出来る事を全てやって生き残って来た。
その為に、腕を足を機械化し片目すらも高性能義眼に入れ替えた。
勿論、自らの体を捨てて後悔などしていない。生き残れれば儲けものだ。
そして、生きていれば良い事もそれなりにあるものだと実感した。
体を機械化したが、生殖機能等は残していた為に任務に精を出した日の夜は同じ部隊の女を抱く事は出来ていた。
しかし、昨日抱いていた女が次の日になれば、鉛玉に当たって死んでいる。
何て事も普通にあったぐらいだ。
だが戦場なんてこんなモノだ。弱い奴から死んでいく。
死んだ奴に対して出来る事なんて、弔って墓に埋めてやる事ぐらいだ。
―――何も分かっちゃいねぇ。アイツ以外は…
そしてレイヤはバディとも言える様な程に親しい仲であり、唯一無二の信頼関係で結ばれた同じ部隊の仲間である「椿」と共に、数多の戦場を巡っていた。
椿、レイヤにとって1番信頼出来る女性。優しくて強くて、甘えたい時は彼女に甘えられる。
時には背中を預け合い、共に戦場を駆けていた。
今日もまた、彼らは戦場を駆ける。
しかし僅かな瞬間、刹那すら軽い程のほんの短い時間。
闇と何かが2人を何処かへと招いた。
躍動感溢れ、高鳴る心臓の鼓動。血の匂いと不衛生な霧の先に2人の影が見えた。
しかし止めようとする者はいない。誰一人として、霧と闇の向こうに消えた2人の行方を知る者はいなくなった。
その日以降、傭兵としてのレイヤと椿の名は消される事となったらしい。
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