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バンパイヤたちの家
第22話
しおりを挟むガタンゴトン
ガタンゴトン
俺たちは道沿いを歩いて、高尾山口駅の電車に乗った。
彼女が言う「協会」というのは、八王子市内にあるらしい。
そこがどういうとこなのかは教えてくれなかった。
何か質問しても、言葉を濁すばかりで。
「…あのさ」
「何?」
そんな顔でこっち見ないでくれる…?
なんでそんな怒ってんのか知んないけど、せめて事情くらいは教えて欲しかった。
昨日までの俺なら、こんなことは思わなかっただろう。
隣にいるのは、あの「天ヶ瀬」だ。
端正な顔立ちに、透き通った白い肌。
凛とした目元の下には、高いカギ鼻が見える。
鼻筋は美しく整っている。
鼻筋が通っていて、かつ、とんがりすぎてない。
きれいだけど主張が強すぎない鼻と、シャープな顎のライン。
日本人らしい平たい顔立ちとは一線を画すほど、その「顔」の印象は立体的に見えた。
初めて出会った時に衝撃を受けた。
あれは、入学式の時だった。
中学の頃の友達と廊下で話してた。
入学式が終わって、体育館を出た後のことだった。
クラスが違うその友達と、これから始まる高校生活についてを話し合ってた。
向かい側から歩いてくる彼女に、全員が視線を奪われてた。
「あ…」と、友達が言ったんだ。
会話の途中だったのに、唖然とした表情で、急に声を詰まらせてて。
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普通科のB組には「天使」がいる。
まさか、そんな子が隣の席になるなんて、夢にも思わなかった。
緊張して目も向けられなかった。
入学してから、しばらくの間は。
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