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命日

第18話

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 「何?」


 叫ぶ俺を見てか、彼女の動きが止まった。

 それを見て、俺は頭をフル回転させた。

 無我夢中だった。


 「お前ほんとに天ヶ瀬か?!」

 「…違うって言ったら?」

 「違う?じゃあ誰だ??」

 「会話するつもりはないんだけど」

 「やってること犯罪だってわかってる?!」

 「キミは死んでるんだって」

 「…意味わかんねーって」

 「わかってるでしょ?何が起こってるのかくらい」

 「何…って、何が??」

 「刺されたことだよ。さっきも言ったけど」

 「…わかってるけど」

 「じゃあ、わかった。単刀直入に言うよ。“バンパイア“って知ってる?」

 「バンパイア??…吸血鬼のこと?」

 「そう」

 「…知ってる…けど」

 「私は吸血鬼なの。意味、わかる?」



 ……?


 ……………はい?



 …………吸血鬼?



 吸血鬼って、………あの吸血鬼??



 詳しく知ってるわけじゃなかった。

 だけど、どういう「存在」かは知ってた。

 誰だって一度は聞いたことがあるんじゃないかな?

 絵本に出てたこともあるし、テレビか何かで、見た記憶もある。

 背中に翼が生えてて、口には血を吸うための牙があって。


 ただ、だからなんだって話ではあった。


 『吸血鬼』

 自分がその存在なんだって言われても、はいそうですかって言えるわけがない。

 夢じゃないとは思ったけど、まさか…

 「夢」……なのか??

 色々ぶっ飛んでて、ますますこんがらがってしまった。

 うまく咀嚼できない何かが、口の中でゴロゴロ転がってた。

 見る感じ翼も生えてないし、牙だってない


 …っていうか、そもそもそんな「生き物」がいるってこと自体、あり得ないわけで…


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