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半分、青い
第1話
しおりを挟む——空が、青い
ふと、そう感じてしまうのはなぜだろう。
教室の窓辺から、見慣れたはずの外の景色を見てた。
いつからだろうか?
空に浮かぶ雲を、この目で追いかけるようになったのは。
キーンコーンカーンコーン
「風夏。最近ボーッとしてるけど大丈夫?」
「…ああ、ごめん」
最近になって、考えることが少し増えるようになった。
それはきっとアイツのせいだ。
今どき、靴箱に手紙を入れようとする古典派タイプのバカ。
ラブレターなんて書くもんじゃないよ。
言いたいことがあるなら、堂々と言えばいいのに。
「どうしたの?」
「いやさ、さっき相談されたんだよ。好きな人がいるんだってさ?」
「え!誰々?!」
「蓮」
「蓮くん!?…あれ、蓮くんとカスミってそういう関係なんじゃないの?」
「ちょっと!やめてくれる?アイツはそんなんじゃないって」
蓮っていうのは、私の幼馴染だ。
隣の家に住んでて、保育園の頃からずっと一緒だった。
女兄妹しかいない私にとっては、アイツは弟みたいなもんだった。
…まあ、弟っていうか、同い年なんだけど。
「ラブレターって、誰に出すの?」
「転校生。佳穂も知ってるでしょ?」
「C組の?」
「うん」
「ほえぇぇぇ」
佳穂が驚いていたのは、その“転校生”が色んな意味で曰くつきだったからだ。
ただの転校生じゃない。
それは「事実」だった。
学校中が彼女の噂で持ちきりだった。
転校してきてから、1ヶ月くらいは。
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