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学校帰りの買い出し②
第25話
しおりを挟む気づいていなかったのだ。
修行を重ねたことで、自らの魔力効率(出力量)が成長していたことに。
公園の木を軽く揺らしてやろうと考えていた。
それでも驚かないなら、宙に浮かすか幻覚でも見せて、強制的に謝らせる。
なんにしても、大事にするつもりはなかった。
軽く放ったつもりだったんだ。
ほんの少し腹に力を入れ、肩甲骨を捻っただけ。
まさかそれで、「海」の形が変わるとは思わなかった。
ドォォォーーーーーーーーーーーーーォォォォォォォォ…
ッバシャァァァァン…
エア・シュート。
半年前までは、せいぜい木を一本倒すくらいが関の山だった。
木といっても大木じゃなく、そこら辺に生えてる細い街路樹程度。
それでも人間に放ったら十分危険ということで、“出力の強さをコントロールできるように”と、サリエルにちょっとした「コツ」を教わっていた。
木の葉を揺らす程度のものから、木の幹を粉砕できるくらいのもの、数字に表すと大体1から20くらいまでの強弱の幅が、練習のおかげで身についていた。
「魔法」は精神力と肉体の中間にある『原子力の強さ』そのもの。
従って、単純にエネルギー量が大きいだけでなく、ミクロ単位の繊細な部分も磨いていかなければならない。
——そう、教わり。
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