雨上がりに僕らは駆けていく Part2

平木明日香

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毒キノコでも食った?

第385話

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 何かができればいいと思ってた。

 自分にしかできないことを見つけて、何かにチャレンジしたかった。

 些細なことだったんだ。

 きっと。

 明日雨が降る予感がして、窓の外を見る。

 軽はずみな気持ちだったと思う。

 特別な理由なんてなにもなくて、りんご味のキャンディーを手に取る。

 じっとなんてしてられなかったんだ。

 テレビ越しに映るワインドアップのモーションが、無性に輝いて見えた。

 自分もいつかあんな球を投げたい。

 ——いつか、きっと


 そう思うって、変なことかな?

 わかんないんだ。

 なんで自分が野球をやってるのか。

 なんで、ピッチャーをしたいと思ったのか。



 部活も終わって、校門前でみんなと別れた。

 さや姉に買い出し頼まれてるんだよね。

 2リットルのアイスコーヒーにみりんにサラダ油…

 んん??

 全部重たいもんばっかじゃないか!

 自転車のカゴに入んなくない?

 仮に入っても、絶対坂道上れないじゃん、これ…

 しゃーない。

 助っ人呼ぶか。


 「亮平!」


 ユニフォームに着替え、律儀に水道で手を洗ってる亮平の姿が見えた。

 何してんだよ。

 そういえばあんた、水筒は?


 「水筒?」

 「いっつも持ってきとるやん。無駄にデカいやつ」

 「知らん」

 「これからなんか用事あるん?」

 「ないけど…」

 「ほんなら一緒に帰るで!持ってもらいたいもんがあるんや」


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