雨上がりに僕らは駆けていく Part2

平木明日香

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毒キノコでも食った?

第374話

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 街の下まで続いていく坂道。

 ロープウェイのように電線を伸ばして、橋の鉄塔のように整列している電信柱。

 信号機が、坂道の下に見える。

 神戸市内の街の入り口と、背の高いビル群。

 
 街と、ビルと、海と。


 全部の色が詰まってる。

 摩耶山の麓から見える景色は、パレットに色を載せたようにカラフルだ。

 摩耶大橋と並行するハーバーハイウェイ。

 港の埠頭に建ち並ぶ青い屋根の工場。

 赤い電波塔と、校門前の大きな杉の木。


 坂を下っていく両端には、背の高い石垣の上に道草が覆い茂っている。

 道にはみ出すほど鬱蒼と茂った場所もあれば、茶色い地肌が見え隠れしている場所も。

 電信柱の上には、鳥のクチバシのような長細い帽子を被った電灯が、ポツンと首を傾げるようについている。

 夜になると狭い坂道の上をポツポツと照らして、信号機のある交差点までひっそりと続いていく。

 全然明るくないんだ。

 おまけに小さい。

 そのかわり、月明かりに紛れるほどの明るさだからか、坂の下に続く市街地の夜景が、すごく綺麗に見えるんだ。

 まるで、天体望遠鏡の向こうに広がる、綺麗な星屑を見るように。
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