雨上がりに僕らは駆けていく Part2

平木明日香

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100億光年の時の彼方で

第366話

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 「はぁ…」

 「何ため息ついとん?」

 「なんでも。こっちの話」


 こっちの世界に来て、アイツの家に行ってみた。

 アイツっていうのは女のこと。

 神戸に住んでるって言ってたから、思いきってのぞいてみた。

 そしたら玄関であしらわれた。

 「キーちゃんに伝えてくるまで、戻ってくんな」と。

 色々聞きたいことがあったんだ。

 千冬のこともそうだが、こっちに来る前に俺にしたこと。

 変な感触がまだ残ってるんだが、まさか…ね

 ほっぺたに何かが触れたんだ。

 それは間違いない。

 妙に温かかった。

 それに、柔らかかった。

 あれは一体何だったんだ…?

 言い寄ったが押し返された。

 「近づくな変態!」と、お隣さんにも聞こえるくらい大声で。


 伝えるって言っても、何をどう伝えればいいんだよ。

 千冬は今幸せそうにしてる。

 俺が告ったところで、何かが変わるとも思えない。

 それに…


 まあいいか、とりあえず。

 どうせあれだろ?

 アイツが勝手に盛り上がってるだけだろ?

 千冬を助けるって言ったって、俺が告ることとどう関係があるっていうんだ?

 色々説明されたのはされたが、腑に落ちないことがたくさんある。

 「千冬と結婚する」って、アイツの妄想なんじゃないのか?

 そうやって俺を誘導して、恥をかかせようとしてるとか。

 大体結婚なんて、無理難題すぎだっつーの。

 まだ付き合ってすらいねーし。

 誰とも。


 さーて、1限目の準備でもすっかな。

 カバンを漁ってるとイッシーが来た。

 プリントちゃんと配ったか?と俺のことを指差す。

 あれ?

 さっき石田さんが配るって言ってたんだがな。

 まあいいや。

 今から配りまーす。

 ミッチー足邪魔。

 通るからしまってくれん?

 あと、俺の消しゴム返せ。

 すっかり返してもらうの忘れてた。

 昨日課題やってる時に気づいて、予備もないから困ったんだよ。

 今日はちゃんと持ってきたんか?
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