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100億光年の時の彼方で
第364話
しおりを挟む「おはよ!亮平くん」
一ノ瀬さんは、先日のことを覚えていた。
先日っていうのはこの前この世界に来た時のことで、あれからどうなった?って。
色々説明がムズいから誤魔化してはいる。
違う世界から来たっていうことは信じてくれてるけど、俺自身よくわかってないことが多いし。
けど、こっちの世界じゃ頼れる友達の1人だ。
他の人たちにはいっさい今の状況を伝えてない。
千冬には最初来た時以来、何も伝えてない。
信じてくれないんだ。
変人扱いされてんのに、無理にいうのもなぁと思って。
「おっす」
一ノ瀬さんと話してると、隣の席で声が聞こえてきた。
コウだ。
寝ぐせが爆発してやがる。
朝練で遅刻したのは、どうも俺たちだけじゃなかったみたいだ。
相変わらずちゃらけた格好してんな?
シャツが出てんぞシャツが。
だらしねぇなぁ
「ウッセー」
ってか、遅刻とか意外だな?
コウに限ってそんなことはないと思ってた。
先輩には練習の虫って言われてて、俺とはよく遅くまでグラウンドにいる。
この1週間やかましくて仕方なかった。
「もう帰んの?」って、何度も引き止められたんだ。
こっちは、早く帰りたいってのに。
「鼻声。わかるやろ?」
「風邪引いたん?」
「そ。移したるから覚悟しとき?」
「移したら薬持ってこいよ?ってかマスクせぇや」
「めんどくせぇ」
風邪引いたら肩パン喰らわしたろ。
寒くなってきてるからマジで気をつけなきゃな
去年もこの時期に風邪引いてしんどかったんだ。
40度近くまで上がって鼻水ずるずるだった。
コイツの風邪が治るまで、ちょっと席遠ざけよ。
引きたくねーもん。
ガチでしんどいから。
「あ!逃げんなや!」
「逃げるやろフツー」
コウは、少し大ちゃんに似ているところがある。
野球が好きなところとか、冗談ばっか言うところとか。
まあ、見た目は全然違うけどな?
系統は一緒かな?
いや、大ちゃんはコイツみたいに眉毛が細くない。
若干ヤンチャというかくだけた感じの軽さが、顔のパーツから滲み出てる。
あと、服装とかも。
大ちゃんも大ちゃんでやんちゃな一面があるが、どっちかって言うと真面目なんだよな。
弟想いだし、塾とかもきっちりするタイプで。
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