雨上がりに僕らは駆けていく Part2

平木明日香

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俗に言うアレ

第221話

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 「ちょい行ってくる」


 調べられるところは調べてみるしかない。

 教室、体育館、屋上。

 ——とにかく、見れるところは。


 「へ!?置いてかんといてよ!」
 

 正面から校舎の中に入ると、すれ違う人たち全員が俺たちのことを見た。

 中には、すれ違った後に二度見してくる人も。

 なんで??

 まさか、俺のこと知ってるやつでもいた?

 見た感じいなさそうだが


 「どうかした?」

 「なんか、すげー見られとらん?」


 下駄箱に靴をしまおうと思ったら誰かに占拠されてて、仕方なく空いてるスペースに靴を入れた。

 スリッパでも履いていこうと思い、玄関の端にある来客用のやつを借りようとした。

 そしたら、事務室のおばちゃんにもすげー睨まれた。

 ドキッてなっちゃったよ…

 一之瀬さんの分もって思いながら顔を上げたら、こっち見てんだもん


 いつもはそんなことない。

 「おばちゃんおはよう」って言えば、笑顔で返してくれる。

 それがどうだ?

 ぺこって会釈したら、反応がないどころか、眉間に皺が寄ってる。

 …怖

 あんな怖い人だったっけ

 職員室の方から出てきた体操服姿の2人組(多分バレー部)も、図書室の中にいるインテリ系男子も、いつもは無口のハラセン(古典の先生)も、すれ違う人全員、不審者がいたかのようにこっちを見る。

 なんだよ、まじで。

 そんな変な格好をしてるつもりはないんだが?

 …だよな?


 「あ!」

 「え、何?!」


 …そうか。

 俺が今着てるのって、神戸高の制服だった。

 …どうりで。


 他校の生徒がずかずか侵入してきたら、そりゃびっくりするわな。

 イベントでもないのに何しにきたんだ?ってなる。

 でもそんな変な目で見なくても…

 たまーに部活とか合同練習の関係で他の学校の人が来る時あるじゃん?

 たまにだけど。

 別に変なものじゃないっすよ。

 おばちゃん俺のこと覚えてないの?

 時々お菓子くれるじゃん?

 お腹すいたって言ったらさ?

 それなのに全然笑ってくれねーじゃん。

 手ぇ振ってんのに。
 
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