雨上がりに僕らは駆けていく Part2

平木明日香

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俗に言うアレ

第210話

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 「はい。私の勝ちー!」


 ドリブルで相手をかき回した後に、3ポイントシュートを見事に決めた。

 千冬は勝ち誇ったような顔をして、マコトの前に立っていた。

 千冬らしいな。

 それはそうと、本当に仲良さそうだな…

 ぱっと見、千冬のタイプの男子には見えないけど


 「そういや、お前はお前で真波ちゃんとええ感じやん」


 そう…みたいだな。

 今日もあの子がいなきゃ、だいぶ苦労してた気がする。

 コウは使い物にならなかった。

 アイツ、毛ほども信じてくれてないんだ。

 クラスじゃ、1番仲がいいみたいなのに。


 「実際どうなん?」


 …どうって

 俺もよくわからん

 一之瀬さんはめちゃくちゃいい子だ。

 明るくて、変に真面目なところがあって、それなりに天然っ気がある。

 繊細な顔立ちからは想像もできないほど、大胆な側面も。

 昼休みの時なんか、俺の飲みさしのマスカットティーを「味見させて!」と言って飲み出した。

 普通にびっくりした。

 そんなことするような子には見えなかったから。


 「別に何もない」


 そう言う以外に無い。

 「俺」にとっちゃただのクラスメイトで、話しやすい女子って感じだ。

 ただこっちの「俺」は、なぜかデートの約束をしてる。

 それに関しては自分でもよくわからない。

 2人で映画だぞ!?

 何がどうなってそうなったんだ、まじで。
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