雨上がりに僕らは駆けていく Part2

平木明日香

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話が違くね!?

第205話

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 「…この半年間のこと、全部覚えてないってこと?」

 「そういうこと」

 「そんなことって…」

 「まだそんなこと言っとんのかお前」


 コウが横から話しかけてきた。

 今いいところなんだからちょっかい出さないでくれる?

 もしかしたら信じてもらえるかもしれないんだ。


 「嘘はついとらん」

 「ほー、おもろいやん」

 「真面目に聞いとらんやろ?」

 「当たり前やろ」


 フゥ…

 まあこれが普通。

 声のトーンは冷たい。

 清々しいくらいに。

 一之瀬さんは、コウと違ってまだ聞く耳を持ってくれていた。

 どこまで伝わってるのかはよくわからなかったが、授業が終わるまで俺たちは話し続けた。

 2限目の化学が始まり、理科室で実験を行うということで俺たちは一階に移動した。

 教科書は別にいらなかった。

 枝付きのフラスコに、ロート台、ろ紙。

 神戸高の校舎は案外古いところが目立つ。

 外からしか見たことなかったから、もっと豪華な作りなのかと思ってた。

 須磨高に比べたら全然広いんだが、所々に昭和感がある。

 玄関周りは新しくなってた。

 新しく建てられた別館もあった。

 敷地は本当に広い。

 グラウンドなんて芝生付きだ。

 高校のグラウンドで芝生がついてるところなんて滅多にない。

 そういうところを見ると、華やかだなって思う。

 4階建の校舎と5階建の別館の間には、おしゃれな渡り廊下が設置されてた。

 それを見てすげーって思った。

 両サイドガラス張りで、しかもそれが3階部分にあるから、空中を歩いてるような気分になるっぽい。

 須磨高じゃ絶対に味わえない。

 良くも悪くも、オーソドックスな作りなんだよ。

 ウチは。
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