雨上がりに僕らは駆けていく Part2

平木明日香

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話が違くね!?

第202話

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 「冗談やろ?」

 「えぇ…」


 悲しげにこっちを見ている。

 友達だとは思うけど、俺が思ってる以上に仲が良いってことかな

 よくよく考えたら「まーちゃん」って呼んでる時点で、普通の仲じゃないことは確かだ。

 よっぽど仲良くないと、そうはならない。

 かといって2人で見に行く??

 それってほとんどデートなんじゃないのか?

 女子と2人で映画館。

 もうワードが「デート」だ。

 固有名詞になってもいいくらいに。



 そんな顔されても…っていうくらいに、彼女は複雑な表情をしてる。

 もしデートだっていうんだったら、俺は今最低な発言をしているのかもしれない。

 でもそんなの予想できない。

 一体この半年間で何があったって言うんだ?

 一之瀬さんとは多分、高校になってからの知り合いだとは思う。

 中学は同じところに通ってたから、彼女が西中に在籍していなかったのをたどっていくと、自然とそうなる。

 だとしたらこの半年で、急に仲良くなったっていうことになる。

 仲良くなるのは別に変わったことじゃないが、「映画」とは。


 「…その、そもそも俺、神戸高生徒やないんや」

 「…へ?」


 なんというかその、冗談抜きで何も知らないんだ。

 なんて言ったらわかるかな…

 記憶がそもそも“無い”というか、その…

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