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話が違くね!?
第191話
しおりを挟む「なんやその畏まった感じは…」
畏まってるつもりはない。
ちょっと緊張はしてるけど…
なんて呼べばいいのかもわからないから困った。
こういう時名札とかつけてくれてるといいんだけどな。
いちいち確認する手間が省けるから。
「亮平な、今ちょっと記憶喪失中なんや」
さっき、千冬と打ち合わせをした。
打ち合わせというか、相談というか。
“好きな人を教えるから、一旦俺の話を信じてくれ”
そういう「話」だったよな??
朝マックでマフィンも奢ってあげた。
千冬は「はいはい」と頷いてくれて、とりあえず話はまとまったはずだった。
そうでもしないと、知らない場所に来て苦労することになるそうだったし。
…それなのに、あろうことか“記憶喪失”!?
体調不良ってことでマスクも買ったんだ。
そういう設定にしておいて、今日は極力喋らないようにしようと思った。
知らない奴らと会話する勇気もなかったし、事情を説明できる気もしなかったし。
「…千冬!?」
驚きのあまり声が出た。
とんでもないことを言ってくれたもんだ。
おかげでさっきの男はこっちを見ている。
詳しく話を掘り下げたそうな目をして。
「…えっと、これはやな」
千冬に助けを求めたかったが、爆弾発言をした後に他の女子たちと会話を始めた。
おいおいおい
放置すな…
俺の席は後ろから2番目。
千冬の席は斜め前にある。
斜め前っつっても一個席を挟んでるから、気軽に話しかけられない。
俺を置いてさっさと自分の席につくあたり、打ち合わせと大分違った行動をしてる…
まだまだフォローして欲しいことがあるんだが?
この男の名前もそうだし、1限目はなんだってことも。
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