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アナザーワールド
第157話
しおりを挟む「ほんならあれか?あんたは別の世界から来たっていうんか?」
「…まあ、そうなる」
「…ほんまはおちょくっとるやろ?」
「いや、全然」
「「別の世界から」って、そんなん信じられるわけないやん」
「そう…よな」
うーん。
困った。
どうしたら伝わるんだろうか?
いっそアイツみたいに時間でも止めなきゃ、理解してもらえそうにない。
まあ、そうだよな。
自分で言ってて、「??」って感じだし。
なんだよ“別の世界”って。
…でも、それ以外にいい言葉が見つからないんだ。
…なんて言えばいいんだ?
別の場所…
別な時間…
それとも、「壁」の向こう?
いやいや、余計混乱させるだけだ。
もっとわかりやすくないと
とは言っても、“わかりやすく”なんて無理じゃね?
ありのままを伝えたって、どうせ伝わりっこないだろ。
ここが本当に「別の世界」かどうかも怪しいもんだ。
確認しようがないし、たんに憶測なだけで…
本当にここが違う世界なのか、確かめないと
「なあ、今からお前ん家に行ってもええ?」
「…別に構わんが」
「よし、決まりや」
彼女が千冬かどうかを確かめたい。
それ以外に方法はないと思った。
具体的に、どうすればいいかもよくわからないが。
千冬の家に行けば、なにかわかるかもしれないと思ったんだ。
きっと、さや姉にも会えるだろう。
スマホは返してもらったが、電話をかけようとすると止められた。
アホなことすんなって、相変わらずの形相で。
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