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夕暮れと影
第147話
しおりを挟む「頭イカれたんか!?」
「そんなわけないやろ」
「ほんならこれはどういうことやねん」
「スマホ返せや」
「返したらまた電話するんやろ」
「そりゃそうや!」
「なんでさや姉にかけた?」
「…いや、やからなんで知っとんや?」
「どういうこと??」
噛み合わなすぎる。
一周回って俺がおかしいのかとさえ思えてきた。
頼むから、そんな顔しないでくれるか?
俺は至ってまともなことを言ってるだけだ。
どう考えたってそうだろ?
消えたんだぞ!?
世界から、アイツが——
騒がしくしてると、病院の人に怒られてしまった。
外に連れ出された俺は、彼女に言われるがまま、広い駐車場のフェンス際に立たされた。
「ちゃんと説明してくれるか?」
「…なにを?」
“ちゃんと”?
なにが「ちゃんと」なんだ?
説明することなんてない。
単純な話じゃないか。
人が1人いなくなってるんだ。
跡形もなく。
それなのに、誰も何も知らないなんておかしい。
それをどう説明しろって言うんだよ
逆になんとも思わないのか??
部屋に行ったら別人がいて、千冬は名簿にも載ってなくて、入院した履歴も残ってない。
そんなあり得ないことが目の前で起こってんのに、こんなところで話してる場合か??
さや姉なら何か知ってるかもしれないんだ。
だから早くそれを——
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