雨上がりに僕らは駆けていく Part2

平木明日香

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ここは…?

第131話

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 電光掲示板の明かりが、各方面の発車時刻を表示しながら、下り線の電車が人をかき分けるようにやって来る。

 ホームの線路を跨いで吹き抜けてくる、涼しい空気。

 屋根の下には電灯が灯り、褐色に灼けた空の色が、少しずつ灰色に傾き始めていた。

 目まぐるしい人の動き。

 ホームの喧騒。

 今、自分がどこにいるかを、頭の中で理解できないわけじゃない。

 だけど見知らぬ女子高生に袖を掴まれ、こうして、わけもわからずに立ち止まっていると、自分が今何をしているか、一瞬わからなくなる。

 彼女の目を見たんだ。

 綺麗な二重まぶたの下に際立つ、透き通った眼差しを。

 どんな顔をして、その「目」を見ればいいかもわからなかった。

 立ち止まったまま、次にどう動けばいいのかも。


 「はよ行くで」


 行くって言ったって、…どこに?

 俺はアイツを探さなくちゃいけない。

 なんなら、一緒に探して欲しいくらいだった。

 さっきの電車はもう行ってしまったし、ホームにもどこにも、見当たらないし…


 引っ張られるように俺は階段を登った。

 これからバッティングセンターに行くらしい。

 最近の女子は、野球が好きなやつが多いのか?

 名前も知らないその子の後ろを歩いていると、彼女のボストンバックに目がいった。

 それは、見覚えのある物体が、ふと、視界の中に飛び込んできたからだ。


 
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