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ライバル
第123話
しおりを挟むなんだよ、その適当な感じは…
めんどくさそうにしやがって。
関係ないんだろ?
“関わりを持てない“って、そういうことだろ?
「とりあえず、この世界のあんたとは、直接関係ない」
わかりにくい言い回しだなぁ
どうやら、鏡の向こうの世界みたいに、世界にはいくつかの”パターン”が存在するみたいだった。
公立に通ってる俺がいたり、ばあちゃんが生きてる世界があったり。
話を聞きながら、そういった異なる世界とか時間のことを、「並行世界=世界線」と呼んでるらしかった。
時間は常に1つしかないように見えて、実はたくさんの出来事や結果が、世の中に生まれ続けているということ。
そしてその無限の「可能性」の奔流の中に、“自分が生まれた”と、女は言った。
“力”を使うことができるのは、そのせいだと。
「並行世界ってのは“泡”みたいなもんや。常に一定の形を持たず、壊れやすい。永遠に同じ場所に留まることができないんや。常に変化し、時間とその”張力“の影響を受け続ける」
「…待て待て!!難しいって!」
「ようするにやな、私は鏡の向こう側に行くことができるんや。1%の壁を抜けることが。あ、その「1%の壁」って言うのはつまり、並行世界と並行世界の境界線のことやで?」
そんなこと言われても全然分からん。
首をかしげまくっていると、女は言ってきた。
その“壁”の向こう側に、連れて行ってやると。
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