雨上がりに僕らは駆けていく Part2

平木明日香

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というわけで

第94話

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 女はその後も“超能力ばり”に力とやらを見せてきた。

 その度に俺は驚いた。

 “驚く”っていうか、誰だってそうだろう。

 普通にあり得ないんだから。

 何がどうなってるのかがさっぱりわからなかった。

 仕組みもそうだし、身振り手振りでどうにかなるもんでもない。

 必死に説明してくれようとはしているが、うーん…って感じだった。

 そりゃ、そうなる。

 女は理解しようとしない俺に「このバカ!」とか容赦ない言葉を浴びせて来るが、逆に理解できる奴なんているのか?

 …ただ、理解せざるを得なかった。

 自分の目にしているものがなんであれ、夢じゃないっていうことだけは、はっきりとわかったから。


 屋上から突然二階のベランダに瞬間移動したり、ポケットの中に大量のお菓子を忍ばせたり(危うく先生に怒られるとこだった)、バスケの1on1で余裕で抜かされたり、テニスコートでダブルスばりの守備範囲を披露されたり。

 どれもこれも驚いたが、1番びっくりしたのは、俺の渾身のストレートを軽々ホームランにされたことだ。

 冷静に考えたら、他のことの方がよっぽどびっくりするが、何気にショックだったんだ。

 こう見えても投げることには自信があった。

 それが、何回投げてもホームランを打たれた。

 嘘だろ!?と思って、しばらく打球を見上げてしまった…

 
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