雨上がりに僕らは駆けていく Part2

平木明日香

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というわけで

第93話

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 「今から時間を止めて、あんたを全裸にすることも可能や」

 「は!?!?!?」

 「ま、できればそんなことはしたくないがな…」


 全裸にする、とは。

 急に何を言い出すんだ…?

 妙に神妙な顔つきになったかと思うと、考え込むように腕を組んだ。
 

 「せやから、私の言うことちゃんと聞き?やないと、街のど真ん中で全裸になることになるで?」



 …

 何恐ろしいこと言ってんだコイツ…

 ふざけんなと捲し立てると、女は俺を揶揄うように見た。


 「そういう態度やで?」

 「…怖すぎ」

 「冗談やがな」


 冗談に聞こえないんだが?

 想像したら鳥肌が立った。

 ぶっちゃけ、想像はできなかったが、この前のことを考えると、あながちあり得ない話ではない。


 「警察呼ぶで?」

 「スマホがここにあるのにか?」


 ヒョイっと右手を上げると、そこには俺のスマホが。

 さっきまで手で持ってたはずなのに、なぜか、無い。

 瞬間移動した…!?

 直感的にそう感じてしまった。

 だって普通に持ってたぞ今。

 電卓をいじってて、その後ずっと握ってて…


 「…冗談やろ?」

 「いい加減わかれや」


 疑ってるわけじゃない。

 いや、…まあ、疑ってないわけでもないけど。

 それよりも信じられないだけだ。

 単純に。
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