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新入部員
第60話
しおりを挟むキーンコーンカーンコーン
ホームルームが終わり、健太とツバサと一緒に、グラウンドに出向いた。
さーて、部活の時間だ。
今日はロンTでもやろうかな。
ソフト部が全員出払うみたいだし、グラウンドはその分自由に使えるし。
「ちょっと自販機寄ってくる」
「おう」
健太がジュースを買いに行っている間、俺とツバサは先に部室に行くことにした。
部室に着くと岡っちがいた。
ガリ勉メガネに、ナチュラルショートの髪型。
丸顔によく似合ってる。
ちなみにチームで一番頭がいい。
見た目通りに。
「あれ?大ちゃんは?」
「後から来るってさ。急用が入ったみたいや」
「ふーん」
祐輔はどうせ女とイチャイチャしてるんだろ。
部内屈指のチャラ男だからな、アイツは。
まあ、イケメンだからしょうがないが。
「今日何からする?」
「うーん」
練習メニューはとくに決まってない。
中学の頃は顧問が決めたハードスケジュールを毎日のようにこなしていたが、まあ大変だった。
しょっぱなのランニングなんて校内10週だ。
何が嬉しくて走らなくちゃいけなかったのかいまだによくわかってない。
マラソン選手じゃあるまいし、西中は無駄に横幅が広い敷地だったから、とにかく苦行だった。
だからランニングなんてものは練習メニューに取り入れてなかった。
やるとしても短距離で軽く汗を流すくらいだ。
せいぜい、100mとかそこら辺か。
大ちゃんと俺はともかく、他の奴らは全般的に体力ないし、それぐらいがちょうどいいんだ。
やってもどうせヒーヒー言ってダラけるだけだしな。
とくに健太なんかは。
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