雨上がりに僕らは駆けていく Part2

やかましい

第５４話

　新設した野球部には、6人のメンバーがいる。

　大ちゃんに健太、それからツバサ。

　あと岡っちと雄輔。

　俺の6人だ。

　もちろん公式戦には出れない。

　メンバーが足りないし、それに元々、同好会気質なところがある。

　だから別に気にしてないんだ。

　どうせ来年になったら入ってくる奴もいるだろう。

　まだ創設して１年目だ。

　焦る必要はない。

　今のうちにポスターの作成と新入部員歓迎のイベントを考えたりもしているが、最悪入らなくてもいいかなという考えでさえいる。

　だって毎日が楽しいしな。

　へんに気張らなくたって。


　昨日、アイツに言われたんだ。

　野球は順調か？

　って。

　俺を首を縦に振った。

　「順調か」と言われたらそりゃ順調だ。

　これ以上ないくらいに。

　少なくとも俺はそう思っていた。

　だって楽しむのが一番だろ？

　新しく部活を立ち上げて細々とやってるよって言ったら、アイツは怒ったんだ。

　「何チンタラやっとんねん」と、まるでおかんみたいに。