雨上がりに僕らは駆けていく Part2

平木明日香

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やかましい

第53話

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 無事に合格できたのは良いが、この学校に「野球部」なるものは存在していなかった。

 …まあ、当たり前だが。

 代わりにといってはなんだが、女子ソフトボール部は存在していた。

 グラウンドは小さいが、一応野球ができるスペースくらいはある。

 本当に申し訳ない程度に。

 共学になるっていうことで、続々と新しい部活が去年から立ち上がっているのだが、「硬式野球部」を創設したのも、その流れに乗った幼馴染がいたからだ。

 名前は榊原大介。

 通称大ちゃん。

 明石東中の4番で、中学時代には対戦したこともある。

 俺と同じで色んな高校から推薦を受けていたが、なぜかこの学校を選んでいた。

 理由は、中学時代の怪我が原因だ。

 大ちゃんは元々ピッチャーだった。

 でも、中3の春に肘を痛めて、やむなく一塁手に転向していた。

 今でも野球は好きらしい。

 俺と同じで、遊びでやるのがちょうどいいって感じで。
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