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やかましい
第50話
しおりを挟む「ねえ、亮平君。ホントに知り合いなの?」
神妙な顔つきで聞いてきたのは、隣の席の松原さんだ。
優等生で、我が校の伝統ある弓道部キャプテン。
入学して以来、ひょんなことから仲良くなった。
今じゃ、すっかり友達だ。
「ああ、そうやで」
「やっぱそうか!!」
「お前には言っとらん」
ったく、騒がしいんだよ。
松原さんは、どういう知り合い?と、興味深々に尋ねてきた。
“どういう知り合い”と言われてもなぁ…
出会ってまだ間もないし、知り合いと呼べるほどの正式な出会い方もしていない。
第一印象を教えてやろうか?
犯罪s…
「おい、亮平!!」
ガラッと、教室の扉が開き、一層とざわつく教室。
声がした方を向くと、アイツがいた。
ちゃっかりウチの制服に着替え、勢いよく登場してきた女の姿が。
ズカズカズカッ
「…な、なんや?」
「私のスマホ知らん!?」
「…知らんわ」
「おっかしーなぁ。家に忘れたかな」
健太は急接近してきた彼女に後ずさりながら、ヒョコっと俺の後ろに回り込んだ。
松原さんは松原さんで、呆気に取られたように見上げている。
ポケットを漁りながら「無い無い」と頭をかき、しまいには俺の鞄を漁り始めた。
「ちょッ…!なにしとんや!」
「盗んどらん?」
「盗むわけないやろ!」
…何を人聞きの悪いことを。
ってか勝手に触んなよ!
入ってねーから!
ゴソゴソとひと通り探ったあと、納得したのか、じゃーな!と振り向きざまに指を立て、何事もなかったように去っていった。
そういや朝、キッチンでいじってたのを見かけた気はするが…
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