雨上がりに僕らは駆けていく Part2

平木明日香

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甲子園

第47話

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 「引っ越したんや。今は大阪に住んどる」

 「…ああ」


 そういうことか。

 って、ええ!?


 「お前大阪から来たん!?」

 「そうやけど?」

 「なんでわざわざ…」


 色々言いたいことはあるが、ありすぎて逆によくわからなくなった。

 いや、まじで何しに来たんだよ。

 千冬に会いに来たんだろうとは思ってた。

 まだ信じてない部分はあるけど、友達なのは間違いないんだろう。

 問題はそこじゃなく、わざわざ俺に絡んできたことだ。

 急に勝負を持ちかけてきたのもそうだし、大体、「寝る場所」ってなんだよ。

 当たり前のように自転車の後ろにいるが、目的は?

 まさか、本当に寝る場所を探してるわけじゃないよな?


 「あんたと同じ高校に編入してきたんや。来週の月曜日からよろしく」

 「は!?」


 …編入?

 俺と同じ高校に入ってきたってこと…?

 なんで?


 「色々諸事情があるんや」

 「…ほう。で?」

 「で、って?」

 「俺の質問の答えになっとらんがな」

 「ああ、寝る場所探してるって?」

 「そうや」

 「まあ、親に反対されたからな」

 「そりゃされるやろうな」

 「なんでそう思うんや?」

 「だって、わざわざ編入してくる理由がないやろ」

 「あるかもしれんやんけ!」

 「せやったら言ってみぃや」
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