雨上がりに僕らは駆けていく Part2

平木明日香

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いや、ちがう、そうじゃない

第26話

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 「そんなこと言わずに頼んます!」

 「いや、無理があるやろ」

 「ケチやなぁ」

 「…ケチの意味わかっとる?」


 そのあとも言い争いが続いたが、女はうまく躱してばかりで、会話にならなかった。

 おかんと意気投合してるせいで、夕食も美味しそうに頂いてやがるし…

 結局夜を迎えて、2階の空き部屋を貸してあげることに。


 「ごゆっくり」とおかんは微笑みながら俺たちのことを見ていたが、敷布団を敷いて部屋を出ていくがてら、俺の部屋に来て、「あんた、手ぇ出したら承知せんで!」と言って去っていった。

 …誰が手ェ出すかよ

 こんな女に騙されやがって

 女は得意げな顔を浮かべて、「じゃ、おやすみ」と言いながら部屋に入っていった。


 …どいつもコイツも


 夏樹は夏樹で、「お姉ちゃん」と呼びながら夜遅くまで話し込んでた。


 わかった。

 俺の血筋は全員バカなんだな

 そう思いながら、眠りについた。

 明日は休みだから、アラームは消しておこう。

 起きたら岡っちに連絡しよう。

 大ちゃんでもいいな。

 他の奴らに頼らないと、この状況を打破できそうもない。


 …ってか、まだ名前すら知らないんだが…

 そんなことってある!?
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