雨上がりに僕らは駆けていく Part2

平木明日香

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いや、ちがう、そうじゃない

第25話

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 もしも本当に友達だって言うんなら、俺が知ってないはずがない。

 少なくとも、そんな話ができるほどの仲なら、千冬と頻繁に会ってたはずだよな?

 けど、お前を学校で見かけたことなんてないし、ましてや、俺たちは“初めて会う”。

 ——そうだよな?


 「あぁ、そうやで?」

 「そんなヤツがアイツと友達なわけ…」

 「へえ。まるで、千冬のことならなんでも知ってるって口ぶりやな」

 「そりゃ、…だって、俺たちは…」

 「俺たちは?」


 確かに言われてみれば、俺になにがわかるんだよって話か…

 少々オーバーだったかもしれない。

 千冬のことをなんでも知ったような気でいたが、冷静に考えたら、アイツと誰が友達だったかなんて、俺には知りようもないことだ

 …でもなあ


 「不服そうやな」

 「…そりゃ、そうやろ」


 コイツの言ってることが本当だとして、勝手に家に上がっていいことにはならない。

 それにさっきの嘘はなんだよ!?

 今の俺からしたら明らかにお前は「変人」で、おまけに犯罪者だ。

 その「事実」はどうしてくれる??


 「ちょっとからかっただけやんけ」


 “からかう”っていうレベルじゃない。

 明らかに度が過ぎてる。

 どう弁解するつもりなんだよ。


 「まあ落ち着いて?私が寝る場所探してるのはほんとだから」

 「いや、だから、それが「何?」って話なんやけど…」

 「こんな可愛い女子高生を野宿させる気なんかあんた!?」


 自分のことを可愛いって言うな。

 喧嘩したかなんか知らないが、家に帰れよ。

 心配してるぞ?

 きっと。
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