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いや、ちがう、そうじゃない
第16話
しおりを挟む「ベットは別にいらんから、敷布団でええで?」
「勝手に話を進めんな」
なにがどうなってそうなった?
…俺たち、初対面だよな…?
…何度も言うけど
「あ、ちなみに私はあんたに興味なんかないから、安心して?」
誰も聞いてねーよ。
おい、勝手に敷地に入んな!
不法侵入だぞ!
ガラッ
「お邪魔しまーす」
女は家の中に入るなり、キッチンの方に向かっていった。
カウンターテーブルの上にバックを置き、勝手に冷蔵庫を開け始める。
「…お前、まじか」
「なにが?」
なにが?じゃない。
なに人ん家の冷蔵庫開けてんだよ。
しかもそのジュース、俺のなんだけど…
こういった状況に遭遇するのは初めてで、一周回って俺がおかしいのかとさえ思ってしまった。
出会ってまだ1時間も経たないヤツが家の中にいて、何食わぬ顔でコーラをがぶ飲みしている。
目を擦った。
冗談だろと思い。
「亮ママは?」
「亮ママ?」
「ほら、お母さん」
おかんは、仕事だけど
なんだ「亮ママ」って。
おかんのこと知ってんのか?
「そろそろ質問に答えてくれんか?」
「例えば?」
「色々や!なんで千冬のこと知っとんや!」
気になって仕方がなかった。
「友達」というが、アイツの友達なら、俺が知ってないはずがない。
少なくとも俺には見覚えがない。
それとも、小学生の頃の友達なのか?
…いや、だとしてもあり得ない。
だってあの頃は…
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