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史上最年少の訓練生
第8話
しおりを挟む端から端まで伸びるまっさらな芝生に、特殊な素材で構築された、内部に光を取り込むための透明な天井。
見渡す限りに広々とした景色は、巨大な壁に囲まれているとは思えないほどに開放的だった。
スタジアムの中は約8万人の観客を収容できるスペースを持っている。
スタジアム自体は、元々“スポーツ観戦”のために建設された場所だった。
「スカイボウル」と呼ばれるガルバディア伝統の国技は、春から秋にかけてシーズンがあり、全国各地を拠点とする全24チームがプレイオフ進出をかけて戦う。
スカイボウル発祥の地であるイスティアでは、元々石畳で構成された屋外用のステージ(※グラウンドのようなもの)で試合が行われていたが、人気の上昇に伴ってグリーンスタジアムI号館が開設され、その後に他のスタジアムが増設されたという経緯がある。
「グリーンスタジアム」は合計で6つ存在している。
この“グリーンスタジアムII号館”も、シーズン中は度々利用されている。
基本的にはI号館が使われるが、I号館には開閉式の屋根がないため、天候が悪い日にはこの場所が利用される。
昔はイスティアを拠点とするチームが全チームの半数近くを占めており、その関係で、I~Ⅵまである各スタジアムを満遍なく使用しているケースが多かった。
今となっては全国各地に人気が普及し、地域ごとに拠点となるスタジアムが置かれたため、II号館からⅥ号館までは、2部リーグ(スカイボウルのリーグ構成における2部リーグで、略称はS2。)の試合や「訓練場」として利用される側面が強い。
ちなみに、ルシア達の故郷であるオーシャンズタウンにもチームがあり、名前を「ダイヤモンド・スカイシャークス」という。
しかしまだ優勝経験がなく、プレイオフ進出の経験もない。
昨年、ガルバディア領の東にある工業都市、グリジアを拠点とする「キャッスル・サンロッカーズ」から、ある大物選手が移籍したことで話題になったが、今シーズンもここまでの成績は地区3位となっている。
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