プリンセスは殺し屋

平木明日香

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殺し屋稼業

第72話

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 ゲ、ゲート??

 その場にへたり込んでいた俺は、身動きもできないまま、謎の空間の中へ吸い込まれた。

 俺自身が吸い込まれるというより、空間そのものが歪んでいく。

 そこには風も何もない。

 ——重力の、変遷でさえ。


 空間が凄まじい勢いで伸縮し、ある一点へと凝縮していく。

 空は回転していた。

 回転し、全ての「色」が透けていくような“変化”があった。

 まるで、カーテンを開いて、外の世界を見るときのような。


 地面も空も掻き消え、薄暗い空洞のような闇の中へと引きづり込まれる。

 周りにはモヤのような「波」が広がっていった。

 渋谷の街並みは消え、物体という物体が世界から追い出される。

 上も下もわからない。

 地面がどこにあるのかもわからない。

 そんな均一化された「色」や「形」が、ドッと視界の隅々に覆い被さる。


 『ウォーター・ゲート(次元の狭間)」


 謎の生き物はそう言った。

 “ここ”は、魔力が結晶化された場所。

 「戦い」に於いての純粋な領域。

 “魔力の海“

 そう形容しても良いそうだ。

 馴染みがなさすぎて、「??」って感じだったが…
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