プリンセスは殺し屋

平木明日香

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世界最強になるために

第40話

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 「着ないなら着ないでもいい。怪我しても知らないからな」


 わざわざ付き合ってやってるっつーのに、着るだ着ないだので貴重な時間を使うな。

 こちとら練習が控えてるんだ。

 さっさと終わらせてやるから位置につけよ。

 どうせ、3分も持たない。


 「おい、陽菜。刺客を連れてくるのはいいが、ちゃんとマシなやつを選べ。これじゃ練習にもならん」

 「ふん!偉そうな口を聞かないでくれる?言っておくけど、今回はそう簡単に倒せる相手ではなくてよ」


 そうは言うが、コイツを見てみろ。

 どれだけ強いのか知らんが、竹刀の持ち方もわからんようなヤツだぞ?

 前から言ってるが、いくら喧嘩に強かろうが俺には勝てない。

 「ルール」ってもんがあるんだ。

 単純に竹刀を振り回す競技じゃねーんだ。

 そこんとこいい加減理解しろ。


 「こんな物を人間は「武器」と呼ぶんだな」

 「…は?」

 「途中で怪我をした場合はどうなるんだ?」

 「ちゃんと胴着を着ければ怪我なんてしない」

 「俺の話じゃない。お前が、だ」


 怪我なんてするわけないだろ。

 足元が滑るとか竹刀が割れるとか、イレギュラーなことが起こらない限り、そうそう起こるもんじゃない。

 捻挫とかも怪我に含まれるのか?

 安心しろ。

 お前なんかの打撃じゃ捻挫にならん。

 剣道を甘く見るな。

 まずはルールブックを見ることを推奨するぞ?

 適当に振ってたんじゃ、有効打なんて一生取れない。

 …それともなんだ?

 当てればいいと思ってんのか?

 だとしたら大間違いだ。

 
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