COLOR CONTACT 〜『堕天使』と呼ばれた最強の悪魔の血を引く女子高生は、平凡な日常を取り戻したい〜【1巻】

霊術院出のエリート

第１６７話

　トッ


　天守閣正面の地面に降り立つ。

　名古屋城に到着した真琴たちが、本丸に入るための階段を登ってきたところだった。

　最初にキョウカの存在に気づいたのは夜月だ。

　「久しぶり！」という溌剌な声と共に、彼女との対面を喜んだ。


　「何しに来た？」

　「東堂さんこそ、何してたの？？」

　「見ればわかるだろう。“仕事”だ」

　「「仕事」って、…もう！？」

　「逆に何をしていた？今回の調査は警戒度「3」に区分される。それをわかってるのか？」


　“警戒度”というのは、管制塔司令部が設定する5段階の警戒レベルのことであり、「3」というのは、周囲の避難勧告と指定区画の隔離を実施するレベルに該当する。

　今回の案件は、各担当部署への通達にも「緊急性」のタグが貼られていた。

　キョウカの発言はそれを含めての“指摘”だった。

　とはいえ、すでに「指定区画内」には調査隊が入っている。

　他のチームも同様だ。

　通信部隊、および偵察隊の出動は名古屋市内全域で実施されていた。

　「ソルダード」の目撃情報は東区のナゴヤドーム周辺で途切れていた。

　真琴たちはそれを周知の上だった。

　今回の任務に“急を要する異常性は無い”と、あらかじめ判断していた。