COLOR CONTACT 〜『堕天使』と呼ばれた最強の悪魔の血を引く女子高生は、平凡な日常を取り戻したい〜【1巻】

まだ、未成年なんですが？

第１３３話

　ドサッ



　…勝った

　勝ったんだ…！

　慌てて目を擦った。

　クレーター状に凹んだフィールドの中心。

　先輩が放った斬撃の軌跡が、交錯した2人の地面の上を抉っていた。

　試合終了の合図とともに、カーティスは地面に倒れた。


　…終わった

　ほんとに終わったんだよね…？

　目を疑ってしまう自分がいた。

　…だって、負けちゃったのかと一瞬思った。

　心臓を貫かれてたんだよ…？

　間違いなく、敵の槍が体を貫通してた。

　あの時、思わず目を瞑っちゃったんだ。

　死んじゃったのかと思ったから…


　バッ
　

　試合が終わった後、私とリオン君はフィールドに降りて先輩の元に駆け寄った。

　遠目からだとイマイチわからなかった。

　先輩の息が切れていたことが。


　「…くっそ。カーティスのヤツ…」


　試合が終わるなり、地面に倒れ込む。

　マラソンを完走したばかりのランナーみたいに、肩から息を吸ってた。


　「大丈夫…ですか？！」

　「なんとかな」

　「運が良かったね。頭を貫かれてたら終わってたよ」

　「ウッセー。まさかあんな攻撃が来るとは思わなかった…」

　「あんな攻撃…？」

　「上から落ちてきただろ？あれだあれ」


　…ああ、あれか

　私もビックリした。

　スキャナーで一応感知はしてたんだ。

　でも、反応が雲みたいに広がってたから、砂嵐が滞留してるだけかなと思ってた。