COLOR CONTACT 〜『堕天使』と呼ばれた最強の悪魔の血を引く女子高生は、平凡な日常を取り戻したい〜【1巻】

バトルフェスティバル 地区予選編②

第７５話

　「勝負あり！」



　戦況を見守っていた審判団の天使が、ゲーム終了の合図を告げる。

　青い弾道が空中をかけ走った時、——ただ、落下していく相手の姿が、そこにはあった。

　心臓を撃ち抜かれ、戦闘不能に陥った相手の姿が。

　

　地面へと落下しようとしていた相手をリオン君がキャッチし、地上へと運ぶ。

　しばらくして目を覚ました相手と握手を交わしていた。

　回復はできそうか？と、心配そうに見つめていた。

　さっきまでの戦いが嘘みたいに晴れやかだった。

　握手した先で、互いを讃え合っている様子を見ると。




　…ぷはぁ


　なんて緊迫のある試合なんだ

　心臓がドキドキしてた。

　ずっと固まってた。

　見たことないくらい激しい攻防だったから…


　「私も行くかな」

　「そっか。リン先輩も試合なんだ」

　「そゆこと。飛ぶぞ」


　…飛ぶぞ、って、まさか…




　ひえええええええええええ



　来た時と同じようにダッシュで山を駆け走る先輩。

　会場って何個くらいあんの！？

　もうさっきのところでやればいいじゃん！

　いちいち移動なんかしないでさ？？



　「ひゃああッ…！！…あの、ちょっとッ」

　「なんか言ったか？」

　「コテ丸より速くないですか！？」

　「まあな！」

　「まあなじゃなくて、じゃあ最初からコテ丸に乗らなくても…！」

　「風情ってもんがあるだろ？」


　風情とは。

　次の会場に着き、上空から盛大に着地する。

　リン先輩が戦う場所は、比較的平地の場所だった。

　山の上っちゃ山の上なんだけど、どちらかと言えば谷に近い場所だった。

　両サイドには大きな山の斜面が連なり、その間を繋げるように地面が続いている。

　
　…すごく広いな


　さっきの場所はさっきの場所で広かったけど、高低差が少ない分、伸び伸びした奥行きを感じた。

　観客の人も少なかった。

　審判団の人と、何人かで談笑している人がチラホラ。

　1人で突っ立ってる人も何人かいた。

　試合はまだ行われてなさそうだった。