COLOR CONTACT 〜『堕天使』と呼ばれた最強の悪魔の血を引く女子高生は、平凡な日常を取り戻したい〜【1巻】

今日からお前は私の従者だ

第４０話

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　「…という感じかな」


　彼の話を聞いて小一時間。

　色々のことを聞いた。

　「私」のことや、彼との思い出。


　「私」には両親がいなかった。

　この町では、“ひとり暮らしの中学生”という愛称で、ちょっぴり有名だったみたいだった。

　河川敷のすぐ近くに立派な一軒家があって、そこでずっと暮らしてきてたそうだ。

　両親がいなくなってからは。

　両親は、ある日突然行方不明になったそうだ。

　今でも消息がわかっておらず、生きているかどうかも定かじゃない。

　ただ、周りはもう亡くなったっていう話になってて、仮に生きてても、もう日本にはいないんじゃないかとさえ囁かれるようになっていた。

　両親を亡くしてからは、おばあちゃんがしばらく私の面倒を見てくれていたそうだ。

　だけど、中学生の時に、そのおばあちゃんも亡くなった。

　中1の春先だった。

　元々悪かった腎臓の機能が、悪化したのは。

　ひとり暮らしをするようになったのはそれからで、健人に出会ったのもこの頃だった。

　どうやら、近所だったそうだ。

　健人の親御さんとかが、よく私の面倒を見てくれてたみたいだった。

　おばあちゃんが、近所の人たちと仲が良かったから。