COLOR CONTACT 〜『堕天使』と呼ばれた最強の悪魔の血を引く女子高生は、平凡な日常を取り戻したい〜【1巻】

平木明日香

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まずは名を名乗れ

第30話

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 男は結局夏木先輩の家までついてきた。

 さすがに門をくぐりはしなかったが、玄関を開けて中に入るまで、じっと私のことを見ていた。

 怖いんだけど…?

 一応確認はしたんだ。

 家族の人ですか?

 って。

 でも違うって。

 「友達」だったって言ってた。

 友達だったら友達だったで怖い。

 もしやとは思ったんだ。

 もしかして、「恋人」だったりする…?と。

 直接聞きはしなかったが、キスを要求してきたくらいだから。


 でも違うぽかった。

 だから怖いと思った。

 男の口から出てきたワードは

 「幼なじみ」

 「学校の友達」

 「10年以上の付き合い」

 などなど


 途中なるほどなって思うこともあったよ?

 キスはともかく、なんで泣いてんのかとか、なんでそんなに喜んでるのかって、思い返してみたときに。

 ってか門限ギリギリじゃん!

 あっぶな!

 夏木先輩はもう帰ってきてた。

 厚底のスポーツサンダルの片っぽが、ひっくり返ったままになってた。

 脱いだらちゃんと揃えればいいのに…

 これから数学の宿題かぁ…

 やなんだよなぁ

 死んでまで勉強しなきゃいけないなんて


 知識も身につけていくこともトレーニングの一環だから、と説明されたが、いかんせんやる気がない。

 夜中はイメージトレーニングということで、ひたすら映像を見さされる。

 昨日は山に行って森の囁きを聴きに行った。

 坐禅を組んでコオロギの鳴き声に耳を澄ませたときは、一体何をさせられてるんだろうと思ってしまった。

 突っ込んでもしょうがないから黙って言うことを聞いてる。

 ただ、夜中にカラオケに行くことに疑問を感じるのは、果たして私だけだろうか?


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