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第46話
しおりを挟む「今年の夏、惜しかったね」
「え…?」
「あと1回勝てば、甲子園だったのにね」
…甲子園?
そうか、祐輔のヤツ、硬式野球やってるんだった。
硬式野球と言えば甲子園だ。
昔はよくテレビで見てた。
「あと1回って…?」
「決勝戦。私も見に行ったんだよ?覚えてない?」
決勝…って、地区大会でってこと?
なかなかやるじゃん。
そういえば、中学の時スカウトが来てたんだっけ。
強豪校から。
あの一ノ瀬高校からも、…確か来てたよね?
全国でも超名門の。
でも、祐輔が今通ってる高校って千葉高だよね?
そんな野球強かったっけ?
公立でしょ?
あんま強いって聞いたことないような…
「その試合のこと、あんま覚えてなくて…」
「そうなの?めっっちゃかっこよかったよ!」
だってさ?祐輔。
チラッと彼の方を見たけど、なんだか浮かない表情をしてた。
先輩がすっごいキラキラした目で褒めてくれてるのに、照れた様子もなくて。
…なんかあった?
さっきは言い過ぎたかな。
いやいや、悪いのはコイツであって、私は悪くない。
むしろ、まだ怒り足りないくらいだ。
あんたのせいで赤っ恥かくとこだった。
わかってんの?それ
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